『ONEPIECE』82巻までの未回収の伏線をまとめてみた(前編)【保存版】

マンガ

更新日:2016/11/28


『ONEPIECE』(尾田栄一郎/集英社)

 『ONE PIECE』(尾田栄一郎/集英社)の魅力といえば、緻密に練られたストーリーと「あっ!」と驚く伏線の数々だ。ネット上では、ワンピースの今後の展開を考察する記事が出回っており、たまに拝見するが、「うーむ…確かにそうかもしれん…」と舌を巻くばかりである。私には到底マネができない。さて、そんなことをぬかしているにも関わらず、今回は未回収の伏線をまとめてみたい。というのも、現在、ワンピースは83巻まで刊行されており、伏線の数は膨大になっているのである。ネット上では、伏線をまとめた記事がいくつも出回っているが、未回収の伏線の全てを記事にまとめたものは見当たらなかった(はず)。ならば、現時点で未回収の伏線を洗い出したいと書き始めたらあまりに膨大で、あえなく「前編」と「後編」に分けることになった。とにかく、ワンピースの今後を読み解く読者の参考になれば幸いだ。ただ、見落としが心配である。もし見落としがあるときは、ダ・ヴィンチニュース編集部までご一報ほしい。編集者に「このクソ野郎!」と怒鳴られつつ、すぐに訂正させて頂く所存だ。

ポーネグリフ(歴史の本文)とワンピース(ひとつなぎの大秘宝)

 ポーネグリフは、「空白の100年」について書かれた歴史の本文である。世界政府は、ポーネグリフを読み解くことを大罪としている。ポーネグリフは何をしても砕けない特殊な石に刻まれており、古代文字が使われている。オハラの権威であるクローバー博士の考察を記そう。

「砕けぬ石を残した者たちには敵がいた。石を残した者たちは滅び、敵は今も生き残っている。空白の100年が明けた800年前に誕生したのが世界政府。空白の100年は世界政府にとって不都合な歴史なのではないか。ポーネグリフを読み解くことで浮かび上がってきた国がある。巨大で強大な力を誇ったが、今では滅び、その国の情報は執拗なまでに消されている。世界政府を名乗る連合国を前に敗北を悟った彼らは、その思想を未来へ託そうと全ての真実を石に刻んだ。それこそがポーネグリフ。その王国の存在と思想こそが世界政府の脅威であり、それをもみ消そうとしている。」

advertisement

 このポーネグリフを作り上げたのが、ワノ国の光月一族。光月一族は石工の一族であり、古代文字の読み書きの伝承がされていたが、モモの助の父おでんで途絶えてしまった。おでんは、ロジャーと共に「ラフテル」へ辿り着き、世界の秘密を知った者だという。

 また、ロビンは魚人島で1つのポーネグリフを読んだ。そこには、ジョイボーイという人物の謝罪文が記されていた。ジョイボーイは空白の100年に存在した人物。ポセイドンの力を秘める当時の人魚姫に謝っているのである。さらに、魚人島には、約束の舟ノアが眠っている。舟は海王類が引けるように造られており、「その日」が訪れるまで動かしてはならない。舟はジョイボーイと交わした約束を海底で待ち続けている。舟を作り上げた造船技術は謎で、ルフィによって壊された部分を修繕するには、ある一族の力が必要だそうだ。

 ワンピースとは、海賊王ロジャーがラフテルに残した「ひとつなぎの大秘宝」のことだ。ワンピースが眠るラフテルは、グランドラインの最終地点であり、その島を確認したのは海賊王の一団だけである。ワンピースを見つけるには、ポーネグリフの解明が必須だ。ラフテルの行き方は、ロードポーネグリフを辿ることでしか行けない。ロードポーネグリフは4つあり、4つのうち3つは在処が分かっているが、残りの1つの在処は分かっていない。

世界政府

 800年前、20の国の20人の王が一つの巨大な組織を作った。それが世界政府である。創造主である王たちは、それぞれの家族を引き連れて聖地マリージョアへ移り住んだ。その20人の創造主の末裔が天竜人である。アラバスタのネフェルタリ家も創造主の一人だが、一緒に住むことは拒否したそうだ。

 今年は聖地マリージョアで世界会議が開かれる。世界会議は、50の国の王が一堂に会する世界最高峰の会議だ。コブラは、800年前にネフェルタリ家の王が何をしたのか、ポーネグリフとは何なのか聞いてみたいと考えている。コブラが病床の身であること、世界会議に出席する王たちの多くがルフィと何かしら関わっていることも伏線ではないかと思われる。

 世界政府は、物語が進むにつれて黒い存在となってきている。世界政府は、「D」の存在を気にしており、「D」とは、ルフィ、ロー、ロジャーなどの人物が持つ名前だ。彼らには祖先から受け継がれる「Dの意志」があるという。Dは神の天敵とされ、つまりは世界政府の敵というところだろうか。

 さらに、聖地マリージョア内部には、存在自体が世界を揺るがす重大な国宝が眠っているらしい。この他にも、奴隷たちが700年かけて島と島をつなぐ橋を作り続けるテキーラウルフ、バーソロミューがパシフィスタの実験体として志願してしまうほどの秘密、政府が捕まえておきたい「最悪の世代」の一人ジュエリー・ボニーなど、世界政府が抱える黒い秘密は多そうだ。

 また、革命軍にもふれる必要があるだろう。革命軍は、世界政府を倒そうとしている組織であり、そのトップがルフィの父ドラゴンだ。革命軍は、ロビンを「革命軍の灯火」と呼んでいる。つまり、革命軍もポーネグリフの解明を狙っているのかもしれない。しかし、バージェスによって革命軍の本拠地がバレてしまい、バルティゴが壊滅状態にされてしまう。ドラゴンたちの死亡は確認されておらず、どこへ消えたのか。コアラたちが暴いたドレスローザに集まる世界の闇。革命軍は何をしようとしているのだろうか。ざわつく世界はどこへ向かうのだろうか。

ストーリーのカギを握る重要人物たちの行方

 魚人島編やパンクハザード編から物語が一気に佳境へ向かい始めた。重要な秘密や役割を担う登場人物が増えたせいかもしれない。個人的に気になっているのがゾウだ。ゾウは大昔に罪を犯し、歩くことしか許されていない。命令に従い、今も歩き続けている。大昔にゾウは何をしてしまったのか。1000年もの時間をかけて、ゾウは一体どこへ向かうのか?そもそも、誰に命令されたのか?非常に気になるところだ。

 また、ゾウの声を聞いたモモの助も気になる。なぜモモの助はゾウの声が聞こえたのか? モモの助は、パンクハザードでベガパンクの失敗作の悪魔の実を食べ、能力者となった。さらに、光月一族の跡取りでもある。壮絶な過去を背負い、悪魔の実を食べ、ゾウの声を聞く特異性も見せた。彼は物語の重要なカギを握るだろう。

 イヌアラシ公爵とネコマムシの旦那も重要な人物だ。磔にされた状態でナミたちと出会ったとき、ペドロが「世界が待っているんだ! あのお二方だけは!絶対に! 死なせてはいかんのだ!」と叫んでいる。この2人は、光月おでんと一緒にロジャーや白ひげの船に乗っていたこともあるらしい。

 45巻のフーシャ村の村長の言葉が引っかかっている読者はいるだろうか。「だいたいガープの奴はなにをしとるんじゃ!我が孫がこんな事件を起こすまで放置するとは!親子3代どうかしとるわい…」。ルフィの親はドラゴン。ルフィの祖父はガープ。ならば、村長のこのセリフはどういうことだろうか?村長の孫はガープということだろうか?そうであるならば、村長とルフィは血縁関係にあり、ルフィの「ひいじいさん」にあたる人物がこれから登場するということになるのか?

 さらに、元海軍大将であるクザンの動向が知りたいところだ。ドフラミンゴから「いい評判は聞かねえぞ」と言われるシーンがある。ドレスローザでルフィとバージェスが出会ったとき、バージェスはティーチと電話をしていた。その電話の内容が「だから青キジは信用できねえって言ったろ」である。青キジは黒ひげ海賊団とつながって何かをしようとしていたようだ。青キジはスモーカーに向かって「海軍本部に所属しなくても実行できることはある」と明言している。彼の正義はどこへ向かうのか。

 キリがないので、ここからは箇条書きで紹介していこう。

・赤髪のシャンクスの船に乗るウソップの父ヤソップ
・双子岬でブルックの帰還を待つラブーン
・インぺルダウンから逃げたLEVEL6たち
・頂上戦争から姿を消したゲッコーモリア
・ポセイドンの秘密を聞いたカリブー
・「CP-AIGIS0」になったと思われる元CP-9たち
・王下七武海の完全撤廃を企む藤虎
・同じく実力は折り紙つきの化け物「海軍大将 緑牛」
・自称白ひげの息子であり、王下七武海でもあるエドワード・ウィーブル
・ドレスローザ編で「一大事件を引き起こす」としめくくられた麦わらの一味の傘下の海賊たち
・同盟を組んだキャプテン・キッド、バジル・ホーキンス、スクラッチメン・アプー(しかし裏切りに遭ったのかもしれない)

 ものすごい伏線の数である。尾田さんの頭の構造は、どうなっているのだろうか。後編は「悪魔の実」「短期集中表紙連載に潜む伏線その他、未分類の伏線」について取り上げたい。

文=いのうえゆきひろ