大変そうだけど憧れる『こまちとタビ』のいる生活。まめきちまめこの猫と犬と過ごす日常が愛おしい犬と猫と時々ニンゲン
マンガ 公開日：2024/1/1
ある意味理想の生活!? 犬と猫と楽しく暮らす『まめきちまめこ ニートの日常 こまちとタビ』は元々はライブドアブログで掲載されていたもの。月間最高7000万PVを達成という脅威の人気を誇り、2022年10月にはテレビアニメも放送されました。現在3巻まで刊行されている人気エッセイコミックです。
1巻では心優しきゴールデンレトリバーのこまち、捨て猫だったタビと毎日楽しく過ごしているまめきちまめこさん。巻を重ねるごとに新メンバーが増え、2巻ではたてがみを持つおばあちゃん猫・シンバ。さらに3巻では、元気な愛され子猫のメロがやってきて、よりにぎやかに！ 犬1匹、猫3匹の楽しく、愛し愛され、そして振り回される日常はクスっと笑えて、優しさと温かさに満ちています。
まめこの親友・こまちと元ノラ猫・タビ
ゴールデンレトリバーであるこまちは、まめこの「唯一の親友」（登場人物紹介より）。いつも飼い主のことを見つめる、表情豊かなわんこ。そのくるくる変わる表情はコミックでたっぷり楽しむことができます。
こまちが動物病院に行ったときのエピソード。まめこにしがみつき、全体重を預け、己のか弱さをアピールするこまち。しかし診察が終了すると、キリリと様変わり。犬のみならず病院嫌いのペットを飼ったことがある人なら「あるある……！」と思われるのでは？
まめこと相思相愛のこまちに対し、バトルが多いのがタビ。車のボンネットに乗っているところを拾われたタビのことを、最初は「正直猫って苦手なんだよなぁ～ 何せ何を考えてるか全くわからん……」と思っていたまめこ。
撫でようとすると手を噛まれ、抱っこは逃げられる。おやつのときしかなついてくれないと思っていても、タビが可愛いまめこ。しかし、気づけばタビはいつもそばにいる！ 表情や行動はとてもわかりやすかったタビ。結局、お互いメロメロなのでした。ちょっとツンデレ（で若干暴力的）なタビにきゅんとしてしまいます。
2巻から登場、神経図太いふしぎなシンバ
2巻から登場するのはノルウェージャン・フォレストキャットなのではないかと言われる「シンバ」。拾われた当初は、目も見えず傷があり「カタギに見えない」と評されていました。ゆっくりまめこ家に慣れていくことに。
病院に連れて行くも……じっとしたまま。病院でもまるでまな板の上の鯉のようなおとなしさ。驚異的なマイペースと動じなさを持つシンバは、最初に動物病院に連れてこられたときから「ぐにゃぐにゃ猫」。年齢不詳ではあるものの、どうやら高齢の様子です。
こまちやタビとこたつでくつろいでいるまめこに近寄るシンバ。甘えたいのかな？と思って手を伸ばすと、後ろに下がる……。と思ったら、またこたつに。どうして？と不思議がるまめこ、実はシンバの寝床の前に座っていたから「どけ」という無言のアピールだったそう。
徐々にこまちやタビとも馴染んでいくシンバ。まめことのんびり穏やかに過ごす様子が描かれています！
愛されし食いしん坊「僕ちゃん」メロが登場
3巻は新入り子猫・メロの章、「メロの日常」から始まります。タビが使っていた子猫用のトイレを捨てようと思っていた矢先に駐車場で出会ったメロ。結局子猫用のトイレはメロのものになりました。
名前の由来はメロンの箱を寝床にしていたからだそう。子猫だけに天真爛漫！ 愛される自分を疑わず、あちこち探検するわんぱくぶりは、子猫を飼ったことのある人にはお馴染みなのでは？ 私は大変そうと思いつつ、うらやましくてしょうがないです……。
小屋から脱走するなど、本当にいたずら子猫のメロ。そして何より食い意地が可愛すぎます。（後半、でっぷり太るというエピソードも登場）
タビがエサを食べている音が絶えないと思ったまめこ。よくよく見たら……高いテーブルの上に飛び上がったメロがタビのごはんを食べている！ 腹パンパンになってもまだ食べたい。エサに蓋をしても食べるメロ。
こまちの大型犬用のごはんがこぼれ落ちると拾い食いしたメロ。それ以来、おこぼれを狙うように……。
果てはシンバのとろとろごはんまで狙うメロ。シンバの後ろにスタンバイし、奪う機会を狙います。さらにシンバが洗面所でこっそり食べるようにしても、扉のすきまに手を突っ込み入ろうとするメロ。どれだけだめと言われてもめげずに狙います。
結局先住の先輩がた全員のごはんを狙っているメロ、その可愛さがたまりません。夢を見ているエピソードもとっても可愛いのでおすすめです。
悪夢にうなされるシンバを気遣って飛んでいってあげるなど、幼い体に優しさをいっぱい詰めたメロ。今後もわんぱくぶりに期待です。
2巻はシンバ、3巻はメロのエピソードが中心になっていますが、それぞれレギュラーメンバーのエピソードもたっぷりです♪
いつの間にか夢中になっている4匹＋1人の日常
コミカルでテンポ良い4匹とまめこの日常は、本当に楽しそう！ ブログを見るとこまちとシンバは2022年に他界してしまったそうで、とても残念です……。
きっと、タビとメロも寂しくしているのでは。読者はいつの間にか、彼らの保護者になってしまう。これも、作品の抗いがたい魅力ゆえなのでしょう。新刊がいつ出るかはわかりませんが、引き続き楽しみにしたいところです！
文＝宇野なおみ
