“思春期症候群”にかかってしまった高校生たち…『あおはるデミデイズ』に胸キュン

アニメ・マンガ

2018/3/15

『あおはるデミデイズ』(猫星にゃ~/TOブックス)

 ここ数年、「亜人(デミ・ヒューマン)」が登場するマンガに勢いがある。エルフやドワーフなど、人間に近い姿かたちをしていながらも、人間にはない特徴を持つ彼らの存在は、物語を予想もつかないところへと転がすギミックになり得るのだ。そんなデミマンガに、またひとつ新星が誕生した。それが『あおはるデミデイズ』(猫星にゃ~/TOブックス)である。

 本作は3月1日(木)に第1巻が発売されたばかりの新人選手。しかしながら、配信元である連載型新作マンガアプリ「GANMA!(ガンマ)」ではトップレベルの人気を誇り、ファンによる感想の書き込みやイラストが数多く寄せられている。

 舞台となるのは「思春期症候群(デミ・コンプレックス)」と呼ばれる症状が流行っている世界。これは思春期を迎えた者の体に、怪物・妖精・妖怪などの特徴が現れる症状のことで、思春期が過ぎ去ってしまえば自然と治る。本作ではこの思春期症候群にかかってしまった者とそうでない者との恋愛が描かれている。

 第1巻でのメインカップルは2組。“妖狐”の特徴が出現してしまった久尾(くお)さんとどこかズレている熱血漢・松平(まつだいら)くん、“ミノタウロス”の特徴が現れた美濃(みの)さんとちょっとおバカな優(ゆう)くんの組み合わせだ。彼らの日常はごくありふれたもの。やたらとちょっかいをかけたり、一緒に帰ってみたり…。どれも思春期時代を思い起こさせる胸キュンシーンの連続なのである。

 そこにエッセンスとして加えられるのが、思春期症候群。たとえば、“妖狐”の症状を発症してしまった久尾さんは、同級生の女子たちから「嘘つき」「男をたぶらかしている」などと陰口を叩かれている。これは人を騙し、悪事を働く妖狐のイメージそのもの。本作は、デミ・ヒューマンの特徴と思春期ならではの悩みやトラブルとをうまくリンクさせ、物語に昇華させているのだ。

 第1巻では彼らの恋が本格的に動き出す様子はない。いわば、読者へ世界観を説明するためのプロローグ。しかし、今後彼らの関係性が大きく動き出す予感は満点。第2巻以降が待ち遠しくなること請け合いだ。もちろん、妖狐やミノタウロス以外の特徴を宿した生徒たちも続々登場する。

 亜人と青春時代とをうまくミックスさせた本作。ちょっと不思議なファンタジーラブコメの世界は、一度読んだらハマること間違いなしだろう。

文=五十嵐 大