女子の美肌づくりはズボラなくらいがちょうどいい!? 漫画で知る「皮膚常在菌」との付き合い方

健康・美容

更新日:2019/4/22

『皮膚常在菌ビューティ!』(川上愛子/ワニブックス)

 近ごろは、女性の間で「腸活」が話題になっています。「腸活」とは、腸内細菌を整え、健康な体を作っていこうというもの。腸の不調は肌トラブルとして現れやすいため、「腸活」で美肌を維持したいと考えている方も多いのでは? しかし、いつまでも健康で美しくあり続けたいと思っている女性は腸内細菌だけでなく、「皮膚常在菌」にも着目してみましょう。

 “菌”と聞くと、「怖そう…」「汚そう…」と思ってしまうかもしれませんが、皮膚常在菌の活動が活発になると、肌が潤い、コンディションがよくなります。菌はライフスタイルによって増殖したり減少したりするため、私たちは良い付き合いをしていく必要があるのです。

 では一体、皮膚常在菌と良い関係を築くには、どんなことを心がけていけばよいのでしょうか。それを漫画で分かりやすく教えてくれるのが『皮膚常在菌ビューティ!』(川上愛子/ワニブックス)。本作は善玉菌や悪玉菌、日和見菌を擬人化して描いているのが特徴。

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 これなら、小難しく思えてしまう菌の話が身近に感じられるはず。

 人と菌は切っても切れない関係。だからこそ、本作を通じて菌がよく働く環境を作り、美肌を保っていきましょう。

■そもそも「皮膚常在菌」ってなに?

 人の身体は菌にとっては、巨大マンションのようなもの。人体を住み家にする「人体常在菌」は100種類もおり、ひとりひとりの体には推定10兆から100兆の菌がいるといわれています。

 そんな数ある菌の中でも肌のコンディションを左右するのが、善玉菌(表皮ブドウ球菌)や悪玉菌(黄色ブドウ球菌)、日和見菌(アクネ菌)。これらの菌にはそれぞれ異なる特徴があり、好む環境が違います。

 例えば、人間にとって良い働きをしてくれる善玉菌は、酸素がたっぷりで弱酸性の環境が大好き。一方、悪玉菌はアルカリ性の環境を好み、環境によって人体にとって良くも悪くもなる日和見菌は酸素を嫌います。

 肌を綺麗に保つにはこうした違いを理解した上で、悪玉菌を撃退するのではなく、善玉菌が元気になれる環境を作っていくことが大切。悪玉菌を殺菌したり除菌したりすると、善玉菌や日和見菌まで殺してしまうことになるので注意しましょう。

 また、善玉菌はどんなに増えても皮膚常在菌全体で50%程度しか存在できないので、菌を良いバランスで保てるような肌ケアをしていく必要があります。高価な化粧品を使用し、日々のお手入れを入念に行っても皮膚常在菌の働きを無視したままでは、肌は美しく保てません。

 美のカギは皮膚常在菌が握っているといっても過言ではないからこそ、彼らが居心地よく過ごせる肌を作っていきましょう。

■あなたは“良い菌”を飼えていますか?

 突然ですが、あなたは日常の中でこんな行動をとってはいませんか。

□夜はサラダでダイエット
□朝は洗顔石けんですっきり洗う派
□ベースメイクに時間をかけている
□トイレでの手洗いは石けんを使って消毒液もシュッシュ!

 実はこうした行動が習慣化していると、美肌を保つことが難しくなってしまいます。

 本作には現在の自分の皮膚常在菌の状況をしれるチェックリストが収録。ツヤ子とカサ子という2人のライフスタイルを通し、菌との付き合い方を解説しています。

 美しい肌を維持するためには、善玉菌の活動を活発にすることが大切。そのためには休日を「休菌日」とし、ぬるっとした肌の状態をキープしてみるのもおすすめ。

 例えば、肌がオイリーでない場合は休日の朝洗顔を中止してみませんか? 洗顔は菌にとって試練となってしまうので、時には皮脂や汗といったごはんを与えて菌を甘やかしながら育てていきましょう。

 ちなみに、皮脂の状態を見極めるには頬を指でグッと押した時、指の周りにツヤの反射ができるかをチェック。反射が確認できたら、皮脂の分量がちょうどよいサインだといえます。

 スキンケアの常識は日々、変化し続けています。女性は美しくあり続けたいと思うほどスキンケアを入念に行ったり、話題の美容アイテムを導入したくなったりするものですが、良かれと思って行っているケアが肌を痛めつける原因になっていることも少なくありません。

 綺麗な肌を保つには、少しズボラなくらいがいいのかも…。そう思え、美容の常識を見直したくなる本作は、美しくあろうと努力する女性の心を楽にしてくれる1冊でもあります。

文=古川諭香