パンツにブラ紐、わざと見せてる!? あけっぴろげJCギャルと地味系男子のちょいエロな日常

マンガ

公開日:2019/5/4

『わざと見せてる? 加茂井さん。』(エム。/双葉社)

 チラリズム。これは全男子がピクリと反応する言葉だろう。見えそうで見えない、でも見えそう。そんな男心をムズムズさせるマンガが登場した。それが『わざと見せてる? 加茂井さん。』(エム。/双葉社)だ。

 本作の主人公は中学2年生の須藤。マンガを描くことが好きで、クラスでは目立たない地味な男子生徒だ。そんな須藤と同じクラスにいる、目立つギャルが加茂井さん。いつも明るく、男友達も多い加茂井さんは、いわばスクールカーストの最上位に君臨する存在。対して須藤は、三角形の底辺をウロチョロ。一見、交わらないふたりだが、ひょんなことから距離が縮まり、少しずつコミュニケーションを図るようになっていく。

 だが、ここで須藤の前に大きな問題が立ちはだかる。それが加茂井さんのチラリズム問題である。

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 加茂井さんのスカートは非常に短い。普通に座っているだけでも太ももがあらわになり、パンツまで見えそうなくらいだ。さらに、シャツからはブラジャーが透けている。これには須藤も戸惑いを隠せない。見てはいけないものを見てしまった……! なにせ須藤はスクールカーストの底辺にいる存在。そんな刺激物には慣れていないのである。

 しかも、加茂井さんはとてもゆるい。パンツが見えようが構わんとばかりに膝を立て、風でスカートがめくれても照れ笑いでごまかすだけ。雨に降られてボディラインがくっきり見えてもおかまいなし。須藤からすれば、まさに「わざと見せてる?」状態である。

 本作はそんなあっけらかんとした加茂井さんと、奥手で地味な須藤とのやりとりを軸にしたちょいエロマンガ……と思いきや、読みどころはそれだけではない。なにに対しても大らかで分け隔てなく接する加茂井さんを通じて、須藤自身もちょっとずつ変わっていくさまが描かれているのだ。

 たとえば、マンガを描いていることも須藤にとっては隠すべき行為。ただでさえ地味な奴だと思われているのに、マンガを描いているなんてことがバレてしまったら、ますます暗い奴認定されてしまう。けれど、そんな須藤に加茂井さんは、「今度 ちゃんと描いた漫画 見せてよ!」と笑顔で言い放つ。

 ラッキースケベ的な展開を期待して本作を読み始めた読者も、次第に、加茂井さんの素直でやさしい性格のトリコになっているだろう。そう、本作はただのちょいエロマンガではない。冴えない男子とそれを引っ張る女子との、キラキラするようなボーイミーツガールなのだ。

 外見も中身もあけっぴろげな加茂井さん。彼女と出会ったことで須藤はどう変わっていくのか。今後のふたりがとても楽しみである。

文=五十嵐 大

©エム。/双葉社