累計3300万部の少女漫画『君に届け』の番外編が話題! 主人公はかわいいあの子

マンガ

公開日:2019/10/12

『君に届け 番外編〜運命の人〜』(椎名軽穂/集英社)

 累計3300万部を超え、『別冊マーガレット』2017年12月号にて完結した少女漫画『君に届け』(椎名軽穂/集英社)。同作に青春をささげ、同作のヒーローを務めた風早翔太くんに、心を奪われたことがある読者もいることでしょう。風早翔太…名前から爽やかさがにじみ出てますよね。

 現在、同作の番外編『君に届け 番外編〜運命の人〜』が『別冊マーガレット』(集英社)にて連載中です。

 番外編の主人公は、本編主人公の黒沼爽子と同じ大学に進学した“くるみちゃん”こと胡桃沢梅。本編では風早くんに長年想いを寄せ、ふたりの恋路を健気にジャマしていたくるみちゃんですが、本作では爽子と仲睦まじい日々を過ごしています。

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 仲は睦まじいのですが、家は近所で大学が同じ、お昼も放課後もずっと一緒で少々仲が良すぎるくらいです。そんな毎日のなかでくるみちゃんは「爽子ちゃんはもしかして わたしの運命のひとなんじゃないか」と、思う瞬間があるそう。

 にもかかわらず、彼女は爽子を合コンに誘って困らせるなど、爽子の愛を“試して”しまう自分に嫌気がさしていました。一方の爽子は、圧倒的な光属性のヒロインなので、自分が試されているとは気づかず、くるみちゃんを優しさで包み込みます。ある意味、相性がいいのかもしれません。

 そんな彼女の前に、爽子のいとこのえーじお兄ちゃんこと、赤星栄治がさっそうと現れます。合コンで妙な男に絡まれているくるみちゃんと爽子を助ける、という風早くんばりの爽やかさで登場したえーじお兄ちゃん。爽子と同じ漆黒の黒髪が似合う歳上の大学生で、くるみちゃんを手のひらで転がすように愛でるテクニックに、我々読者は悶絶せざるを得ません。

 くるみちゃんは超絶モテ美少女なので「顔がかわいい」はあいさつと同じ。しかし、えーじお兄ちゃんは「反応がかわいい」とか、「見た目はね どんなにかわいくてもただの皮」と前置きしつつ「梅はね 大変かわいいです 見た目がかすむくらいじゃね?」など、いままで彼女が出会った男性たちとは、まったく違う言葉をかけます。

 彼女の外見以外をほめまくるのです。これまで“かわいい”だけで生きてきたくるみちゃんは大混乱。泣いたり笑ったり怒ったり恥ずかしがったり、百面相のように変わる彼女の表情に、えーじお兄ちゃんでなくとも「かわいい」と思ってしまうはず。

 これまで、自分の内面の“汚さ”が嫌いで、風早くんが自分に振り向いてくれなかった経験から「やさしい人はわたしのことをすきにならない」と考えていたくるみちゃん。それでも彼女に優しくしてくれるえーじお兄ちゃんに、徐々に心を開くように。えーじお兄ちゃん、相当な手練ですね。

 誰かを困らせて愛を試してしまう彼女は、いわゆるめんどくさい女の子なのかもしれません。しかし、そんなめんどくささも含めて認めてくれる彼が、くるみちゃんの“運命の人”になるのか。ふたりの恋の行方がとても気になります。

文=丸井カナコ