家の中がぐちゃぐちゃ… 片づけが絶望的に苦手な私を救った奇跡の片づけ術/『どんなずぼらさんでも「これなら絶対! 」片づく技術 』①

暮らし

公開日:2020/2/29

今までの「片づけ本」では片づかなかった人、 家事が苦手で「どこから手をつけていいのか」途方に暮れている人…必見! 世界中の「ずぼらさん」を感動させたベストセラーが、ついに邦訳。「お皿を洗う」――たったそれだけの小さな習慣が人生を変え、 家事・片づけが絶望的に苦手なわたしを救った――。ずぼらあるあるが、ちょっとしたコツでスッキリ解消!

『どんなずぼらさんでも「これなら絶対! 」片づく技術 「たった1つの習慣」で人生が変わる』(ダナ・K・ホワイト:著、大浦千鶴子:訳/マガジンハウス)

はじめに
〝途方にくれたわたし〟を救った「奇跡の片づけ術」

 今、表紙を見てこの本を手に取り、最初の数ページをパラパラめくって「買ったほうがいいかな、買わなくてもいいかな」と思案しているあなたへ。

 決めるお手伝いをさせてください。この本は読者を選びます。

 もともとそうじが大好きで、整理整とんをしているとワクワクする人には、明らかにおすすめしません。

「この世の中に、汚れた食器が流し台に放置されていても平気な人がいるなんて、とても信じられない!」という方は、今すぐ本を閉じて、棚に戻してください。

 さてと。これであなたとわたしだけになりました。

 キッチンのカウンターに汚れたお皿が山積みになっていてもぐっすり眠れるのだけど、翌朝キッチンに足を踏み入れたとたん、その大量の洗いものに泣きたくなってしまう人。

 そういう人は、このまま読み進めてください。

 家のなかのぐちゃぐちゃをなんとかしたいけれど、何からどう手をつければいいのかわからない。とりあえず、家事のやり方を変えようとして何度も失敗したあげく、ほとほと疲れ果てて、もうやる気もわいてきそうにない人。

 そういう人のためにこそ、この本はあります。

 こういう本をわたしが書くとは、以前には夢にも思っていませんでした。

 家事のこととなると、わたしはいつだって挫折の連続だったからです。

 そう、「どうしようもないダメ人間」だと自分で思っていたからです。

 結婚し、子どもが生まれ、舞台演劇の教師をやめて専業主婦になったわたしは、自分の気持ちを発信する場所が無性に欲しくなりました。そんなとき始めたのが「脱ずぼらプロジェクト」のブログ。家事や片づけが絶望的に苦手なわたしが、なんとか毎日を改善しようとつづったブログです。

 ふたを開けてみたら、ブログを始めてから、もう10年以上経過しました。

 ここまでの道のりは、順調どころか失敗ばかり。個人的にもっとも闇が深く、そして恥ずかしい「ずぼらの生態」を、世界に向けて大っぴらに発信するのは、ときに痛みをともなうほどの長く苦しい取り組みでした。

 でも、今となっては感謝の気持ちしかありません。

 どうすればまともな精神状態を保ちつつ、家事をやりくりしていけるか、そのコツをしだいにつかんできたからです。

 本書を買うべきかどうかまだ迷っている人に向けて、はっきりと申し上げましょう。

 誰もがあこがれる素敵なカリスマ主婦から「片づけのコツ」を学びたい人にとって、わたしは完全に教師失格です。

 二度とそうじしなくてもいいくらいに家じゅうをピカピカに磨き、皿や鍋の大きさをそろえてきっちりムダなく収納したい人は、わたしにつき合っていてはいけません。

 でももし、どうしてもそうじが苦手で、やり始めても長続きせず、途方にくれ、こんなに家事ができないのは自分だけじゃないだろうかと孤立感さえ味わったことがある人は、ついにわたしという仲間を発見したのです。

 ここだけの話ですが、ちょっとお耳に入れたいことがあります。「(この本以外の)片づけにまつわるたいていのハウツー本は、じつは、頭のなかが片づいている人によって書かれている」ということです。

 そういう人たちの脳は、わたしの脳とはまるで違う働き方をします。

 みなさんにお伝えしようと思っている「片づけの作戦」はどれもこれも、わたしの〝実験室〟でテストされ、その効果は実証ずみです。仮説はゼロ、あるのは現実に即したものばかり。

 今、暮らしている家のなかをどうするか。わたしと同じ〝ずぼらさん〟に必要なことを、徹底してお話しします。

 それは、今までみなさんが予想していたより、びっくりするほどシンプルなことですよ。

<第2回に続く>