「おじさん、私に悪いこと教えて?」ピュアな美少女×超絶ドSおじさんがハマった「イケナイ世界」って?

マンガ

更新日:2020/6/19

おじさんが女子●生に悪いことを教える話
『おじさんが女子●生に悪いことを教える話』(久川はる/オーバーラップ))

 仕事や学校であまり上手くいかず、何もかもがイヤになることってないだろうか? そんな場合に起こす行動といえば、「えぇ~い、もうどーにでもなれ!」から始まる、自暴自棄…いわゆるヤケだ。そういう時、人は思い切って“不道徳な悪いこと”に走りたがる。大人ならヤケ酒、子どもなら、極端にいえば不良になっちゃうとか(自分はとても良い子に育ってきたので悪いことはよく知りません!)。今回紹介する作品は、思春期で多感な時期の少女が「禁断の一線を越えちゃう?」というポイントで右往左往する物語。世代の離れた中年の男性から“オトナのイケナイ世界”を教わり、体験していく、久川はる先生の『おじさんが女子●生に悪いことを教える話』(オーバーラップ)をご紹介!

おじさん、私に悪いこと教えて …って何を!?

 親とは進路のことで意見があわず、友だち付き合いもなかなか上手くいかない、悩み多きお年頃の少女・佐倉歩には、唯一心を許す人物がいる。それは、ヒゲを生やし、基本全身黒ずくめの服を着た、ガラの悪そうなおじさんだ。ある日、歩は突然おじさんに急接近し、思い切った決意を伝える――。

「おじさん、私に悪いこと教えて?」
「私を悪い子にしてよ…」

 その思い切った告白に、おじさんはおじさんなりに、彼女の気持ちに誠心誠意応えようと“ドSな発言”を交えながら悪いことを次々と歩に教えるのだが、その内容は彼女の思っていたコトの斜め上を行くものだった! そのギャップは世代感覚の差なのか、もしくはおじさんの長年の大人経験がそうさせたものなのか、少女とおじさんの考える“悪いこと”のすれ違いに読者も翻弄されてしまうドキドキすれ違いコメディだ。

「思春期少女×おじさん」という組み合わせ。そして「悪いこと教えて」と詰め寄る甘い言葉…こうなると、その後の展開は「R18の世界へようこそ!」を想像する読者も多いかもしれない。主人公の歩もそんな悪いことを想像し、覚悟を決めてドキドキしながら待つのだが、おじさんが繰り広げるまさかの展開に、読者は自ずと笑ってしまうはずだ。

 ただ、これだけは予めお伝えしておきたい。おじさんが歩に教える“悪いこと”は、本当に“悪いこと”なのだ! 穢れなき清純少女に、そんなことを教えてイイのか、それってまさに欲望と背徳感で溢れた行為…しかし読んでいくと、きっと羨ましく感じてくるはず。おじさんにとっての“悪いこと”というのはつまり…いや、最大のネタバレになってしまうのでここでは明かさないでおこう。ぜひ主人公の歩と同じく“ピュアな心”でドキドキしながらページをめくっていただきたい。

 さて、この作品で最大の謎は、おじさんは一体何者なのか、そして歩との出会いのなれそめは何なのか…? 1巻ではまだそれらに関するエピソードはくわしく描かれていない。歩に“悪いこと”を教えるおじさんは、見た目通りのドSで悪い人なのだろうか。いやいや、これが実はナイスジェントルメンなのだ! 悩む歩へ真摯に正面から向き合ってくれるところ、さらに他の人にもフォローの心遣いをみせる姿は、“イケおじ”だ。

 少女が心を許す魅力もそういうところにあるのだと読み進めるごとに感じる。このやさしさに触れて、歩はどんどんおじさんのことが気になりだすのだが、その心模様もぜひ本編でご確認いただきたいポイントだ。

 ときには“イケナイ妄想”にドキドキしちゃう欲望コメディ。ときには真剣に悩みに応えてくれる人情ドラマ。両面性があって何度も楽しめる本作品。レビュー視点はだいぶマジメな方向(?)に走ってしまったが、少女の欲望に応えようとするおじさんならでは“我流イケナイ教え”のやりとりは、非常にキュートでキュンキュンくる青春ラブコメ展開だ。「自分も何かキュンキュンくる存在がほしい!」と憧れの欲望に飢えている方は、歩と一緒にイケナイ追体験をしてみては?


文・手書きPOP=はりまりょう


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