年収240万円の地方のホームセンター店員が年収5000万円を稼ぐサラリーマンになったワケ/転職と副業のかけ算①

ビジネス

更新日:2020/10/1

年収240万円の地方のホームセンター店員からスタートし、今や本業と副業合わせて年収5000万円を稼ぐmotoさん。現在も、ベンチャー企業で営業部長をするかたわら、Twitterやnote、Voicyなどでの活動により、副業年収4000万円を達成しています。
そうした「生涯年収を最大化する生き方や考え方」がまとめられた1冊『転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方』(扶桑社)から、「はじめに」と副業をテーマにした「第4章」の一部を、全5回で試し読み連載します。

転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方
『転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方』(moto/扶桑社)

はじめに

給料はもらうものではなく「稼ぐもの」

 なぜ、年収240万円の地方のホームセンター店員が、年収5000万円を稼ぐサラリーマンになったのか。

 新卒で地方のホームセンターに入社した僕は、年収240万円でキャリアをスタートしました。レジ打ちや理不尽なクレームに対応する店員として、盆暮れ正月も仕事に明け暮れ、年末に帰省してくる友人からは「バイトしてんの?」と言われ、切なくなったのを覚えています。

 あれから10年。僕は4度の転職と、その経験を活かした副業を通じて、サラリーマンとして年収1000万円、副業では年収4000万円を稼ぐ人材となりました。現在はベンチャー企業で営業部長をやっています。

 僕は決して高学歴でも、裕福な家庭に育ったわけでもありません。長野県の田舎で育ち、最終学歴は短大卒です。今でも毎朝、東京メトロの満員電車で通勤し、お昼には吉野家でランチを食べ、年2回のセールの時期を狙って伊勢丹に買い物に行く、ごく普通のサラリーマンです。

 多くの人は、高い年収を得るというと「起業して社長になる」とか、「投資で一発当てる」姿を思い浮かべると思います。しかし、実際にサラリーマンを辞めて起業したり、高額な投資をするのは難しい。僕も、そんな一人です。

 そこで僕は、「サラリーマンでいること」のメリットを享受しながら、個人でお金を稼ぐという「手堅い立ち位置」を取り、生涯年収を増やす道を選びました。

 多くの人が見落としていますが、実はサラリーマンとして得られる経験には大きな価値があります。そして、その経験や知見は、個人でお金を稼ぐための「素」になるのです。

 実際、僕の4000万円という副業収入は、サラリーマンとして働くなかで得た知見や経験や、自分自身の転職経験など、「同じサラリーマンにとって役立つ情報」を発信することで得ています。

 こうした「人の役に立つ情報」というのは、誰もが持っているはずです。働く時間は人生で最も長い。そのぶん、誰もが多くの経験や知見を得ています。多くの時間を費やし、苦労して働いて得た経験は、同じく苦労しているサラリーマンにとって、大いに役立つ情報になるのです。

 僕はずっと、自分という「個人の市場価値」を伸ばそうと考え続けてきました。

 そのなかで得た経験や成果に「転職」と「副業」をかけ合わせる――つまり「かけ算」の関係にすることで、生涯年収を最大化させてきたのです。

 この方法は、キャリアに悩む多くのサラリーマンがとれる戦略だと思います。なぜなら、転職と副業は、「誰にでも使える術」だからです。

 しかし、この方法を実践している人はまだ多くはありません。「転職したってどうせ年収は上がらないだろう」、「副業をしてもたいして稼げないだろう」。そう考えて多くの人が足踏みをしています。

 たしかに、ひとつの会社に腰を据えてじっくり働き続ける選択肢もあります。しかし今の時代、「ただ真面目に働くだけ」では、給料が増えないどころか、サラリーマン生命すら危うくなります。40 代半ばで早期退職を迫られる人がいる一方で、新卒でも能力次第で数千万円の年収が得られる。そんな時代なのです。

 給料は「もらうもの」ではなく「稼ぐもの」です。

 本書では、これまで僕が培ってきた、転職と副業をかけ合わせて「生涯年収を最大化する生き方や考え方」についてお伝えします。

 この考え方はSNSを通じてすでに多くの人から賛同を得てきましたが、今までは断片的にしか紹介できませんでした。そのため本書では、これまで僕が考えてきたことを、できる限り公開したいと思います。

 序章では、なぜ今、すべてのサラリーマンに転職と副業が必要なのかを、時代の変化を踏まえて解説します。

 続く第1章では、僕が「お金を稼ぐ」という行為に目覚めた幼少期から、短大を出てホームセンターに就職する決断の裏にあった考えについてお伝えします。

 第2章では、4度の転職の過程で得た、年収を高めるための思考を当時のエピソードとともに紹介し、第3章と第4章では、年収5000万円を稼ぐに至った、転職と副業の具体的なノウハウをお伝えします。

 最終章である第5章では、転職と副業をかけ算し、生涯年収を最大化するこれからのサラリーマンの生き方についてまとめています。

 転職も副業も、働き方はもちろん、生き方にも影響します。

 僕は、本書を通じて「転職して年収を高めたい」「サラリーマンとしての市場価値を上げたい」「給料以外の収入が欲しい」「老後のお金の不安を減らしたい」と考える人にとって、一つのロールモデルになれたらと思っています。

 これからの時代は、会社も組織も自分のキャリアを保証してくれません。自分の身は自分で守るしかないのです。

 あなたの人生に「転職」や「副業」をかけ合わせて、自分自身の市場価値や、今後のキャリアを見直してみませんか。

<第2回に続く>