「悪性です」医師の告知に育子は動揺を隠しきれない。毎年検診も受けていた私が乳がん…?/がんの記事を書いてきた私が乳がんに!? 育児があるのにがんもきた①

マンガ

更新日:2021/2/2

【はじめに】

 ライターとしてがんの検診や治療法についての記事を書いてきた私(原作者・藍原)は、2013年に乳がんの告知を受けました。

 さまざまな医師や患者さんに取材をする中で、「もし自分ががんになったら?」と考えたことは何度もありましたが、「たとえそうなっても自分には知識があるから大丈夫だろう」と思っていました。

 しかし実際に告知を受けると、その余裕もどこへやら。それまで目にとめることもなかったあやしい治療法や根拠のない情報に心が揺れました。

 がんは「悪いところを切って終わり」という病気ではありません。手術という大きな山を越えた後にも、入院中に衰えた気力や体力、痛みを抱えながら、「治療」という新たな柱を抱えて生きていかねばなりません。

 本書は、私のがん告知からの5年間を内野こめこさんに漫画にしていただきました。またコラム「心の専門家に聞いたがんとの向き合い方」では、私の体験を元に、がん患者と家族の心の治療を行う「精神腫瘍科」の第一人者である大西秀樹先生に話を聞きました。いま治療中の患者さんが、読んで少しでもラクになれるような考え方や、気持ちの整理の方法などを紹介しています。またがん患者さんのご家族や、身近な人ががんに直面している方にもぜひ知ってほしい情報をまとめています。

 がんになったのは、あなたに落ち度があったからではありません。がんはある日突然あなたの人生に訪れる、嵐のようなものです。いま嵐の真っただ中にいる人が、少しでも穏やかな場所で心を休めることができますように。

 心の専門家の温かいアドバイスを胸に、前を向いて歩いていけますように。

<第2回に続く>