現代社会で働くすべての人へ。戦い方を知れば泣き寝入りはせずに済む/武器としての労働法①

ビジネス

公開日:2021/5/6

武器としての労働法』から厳選して全4回連載でお届けします。今回は第1回です。社員、契約社員、派遣、アルバイト、フリーランス…。雇用形態が多岐にわたるなか、「働くこと」のトラブルもまた多岐にわたる時代になりました。トラブルを乗り切るために大切なのは、あなたの働き方を深く知ることです。「泣き寝入りしない」ために、まずは基本知識を学びましょう。

武器としての労働法
『会社に人生を振り回されない 武器としての労働法』(佐々木亮/KADOKAWA)

はじめに

 本書は、「すべての働く人(働こうとする人)に、読んでおいてほしい本」という発想で作りました。

 現代社会では、人は生きていくためにお金を稼がなければなりません。そして、お金の稼ぎ方で一番多いのが「働くこと」です。働くことでもらうお金は、賃金、給料、手当、賞与、報酬など名称はいろいろありますが、労働することと引き換えに得られます。

 多くの人はこのお金で生活しています。なにごともなく平穏に働ければいいのですが、自分に原因があろうとなかろうと、トラブルに直面することがあります。労働に関連するトラブルは生活に直結するだけに、問題の渦中にいたり、解決方法に悩んだりすると、そのストレスは大きくなります。どうやってトラブルをうまく乗り切るか、それは人生において大変重要なことです。

 トラブルを乗り切るにあたって押さえておきたいことは、現在、社会での働き方は多様化しているということです。働き方の違いによって、トラブルの乗り切り方も違います。

 そこでまず、自分がどんな働き方なのかを把握する必要があります。本書では働き方の特徴を理解し、そのうえでトラブルに直面した場合の対処方法(解決策)を、働き方の種類ごとに示しています。

 残念ながら今の日本では、働くことに関するトラブルは毎日たくさん発生しています。そして、多くのトラブルで、働く側(労働者)が泣き寝入りをしています。

 なぜ、働く側が泣き寝入りをすることが多いのでしょうか。その原因はいくつかありますが、代表的なものとして、働く側がトラブル解決にあたって、戦い方を知らないという問題があります。戦いたくても、そのための知識がないと戦うことができません。本来、働く人のために「労働法」という強力な「武器」があります。この武器がどのようなものであり、どう使って戦えばよいのか、本書ではそれを説明しています。

 また、労働法に関する解説書は数多くありますが、本書はできるだけ難しい言葉を避け、わかりやすさを重視しています。そこで、法律用語などでは「雇用者」「労働者」と表記される用語もできるだけ「会社」「社員」とし、「賃金」も「給料」や「給与」などと記しています。

 ぜひ、ご一読いただければと思います。

<第2回に続く>

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