好きなTVを見なくなったらそれ、“うつうつ”のサインかも!? /無意識のため息が驚くほど消えて うつうつしなくなる

暮らし

公開日:2021/8/7

最近ごはんがおいしくない、ふとした瞬間に不安になる…。コロナによる自粛生活で、沈んだ気持ちになっていませんか? それは“うつうつした気持ち”が原因かもしれません。

うつ病まではいかないが、以前より“うつうつとしがちな方”に向けて、心療内科医・産業医でもある石川陽平先生が、患者や自身にも応用している「毎日を少し楽にする実践テクニック」をご紹介します。

※本作品は石川陽平著の『無意識のため息が驚くほど消えて うつうつしなくなる』から一部抜粋・編集しました

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無意識のため息が驚くほど消えて うつうつしなくなる
『無意識のため息が驚くほど消えて うつうつしなくなる』(石川陽平/KADOKAWA)

はじめに

コロナによる自粛生活で、こんな気持ちになっていませんか?

 ずっと続くわけではないけれど、以下がときおり当てはまれば、あなたのどこかに「うつうつ」が隠れているかもしれません。

□朝起きたとき、体が重く感じてベッドから出たくない
□ふとした瞬間に不安になり、寂しさを感じる
□何かあったわけではないが、気持ちが沈む
□気づいたら、ぼーっとして手が止まっているときがある
□常に仕事や家事などに追われている気がする
□目の前のことに集中しきれず、携帯を見たり休憩を挟むことが多くなった
□寝付きが悪くなり、途中で目が覚めやすくなった
□休日でも、何かをしようとする気が起きにくくなった
□食事が以前ほど楽しめなくなった
□以前好きだったテレビ・本・音楽などを、最近見なくなった

 私の働き方は医師としてはちょっと変わっていて、4つの職種(救急医・心療内科医・産業医・医療系企業の社員)を掛け持ちしています。2020年から日本でも広まった、新型コロナウイルス。都内病院のER(救急救命室)でコロナの診療をしながら、多くの会社で産業医として活動していた私は、2つの異変を感じていました。

 ひとつは、救急医としての視点。ERの外来で新型コロナウイルス感染者の方々が一気に押し寄せ、外来や病棟が一瞬で埋まっていきました。

 もうひとつは、心療内科・産業医としての視点。外出制限、リモートワークが拡大するにつれ、多くの方に「うつうつした気持ち」が広がっていきました。特に、緊急事態宣言などで外出が制限されるようになると、新しい環境になかなか慣れることができず、これまでにない形で体調を崩す方が増えていくのを目の前で見てきました。

 産業医として相談を受けてきた多くの方は、うつ病という病気のレベルまではいきませんでしたが、「なんかうつうつする」という気持ちになっているようでした。そして、その気持ちを抱く方は、コロナ以上の速度で広がりを見せていきました。コロナは世界に一気に広がりましたが、それ以上に「うつうつした気持ち」はさらに広く、速く世界に拡大していっています。

 私自身も、日常生活の中でちょっとしたうつうつが増えました(例えば、実家の家族に会うのも控えねばならなかったり、今まで休みの日に通っていた近所のレストランに行きづらくなったり)。そんなときに、これまで自身が心療内科の外来や産業医として患者さんに伝えていたことを、自分自身にも応用して使うようになりました。

 この本では、そんな「うつ病まではいかないが、以前よりうつうつとしがちな方」に向けて、毎日を少し楽にするコツをお伝えできればと思っています。

<第2回に続く>

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