特別な才能なんて必要ない。どんなときでも「好き」を見つけるだけで、前に進む!/やりたいこと、全部やりたい。 自分の人生を自分で決めるための方法⑤

ビジネス

更新日:2021/12/29

大切なのは、どんな場所でも「好き」を見つけること

 自分の心に無理をして、「やりたいこと」を探したり、挑戦したりしなくても、いまの仕事のなかに楽しみを見出していくことだってできます。

 いまやっている仕事を本当に心から好きな人なんて、実のところ多くありません。

 でもわたしは、「やりたいこと」をやらなければ仕事が好きになれないとも考えていません。そうではなく、仕事のなかで「この部分は好き」というふうに探していくから、そんな「好き」が少しずつ積み重なって、やりたいことが増えていくと考えるのです。

 わたしは大学時代、「まったく向いていないな」と感じたアルバイトをしたことがあります。

 それは輸入会社の事務の仕事でしたが、簿記の資格を持っていたにもかかわらず、帳簿をつけるのが本当に苦手だったのです。

 あまりにミスばかりするので、情けないことに「立花には帳簿を触らせるな」とお達しが出てしまったほどでした。

 そのため職場でやることがなくなってしまい、仕方なくまわりにごちゃごちゃと散らかった、誰もやらない段ボール箱の整理をしていました。

 でも、これがやってみると意外と大変……。大変だからこそ、みんなが放ったらかしにしていたわけです。「でもこれくらいはやろう」と思って毎日頑張って続けていると、ある日社長がそれを見て、「素晴らしい!」とほめてくれたのです。

 そして、その日までは会社でダメなアルバイト扱いでしたが、急に「いてくれて重宝な人」になれたのでした。

 そのときわたしは、「向いていない仕事場にもひとつくらい好きになれることがあるんだな」と気づくことができました。

 また、そんな小さな「好き」を見つけられたことで、みんなに喜ばれ、ほかの仕事も任されるようになり、最後は惜しまれて辞めるまでになれました(結局、帳簿の仕事は最後までまわってきませんでしたが)。

 

 どんなときでも「好き」を見つけられる力がつくと、どこでも幸せに生きていくことができます。

 これが本当の仕事力であり、生きる強さです。

 

 この力がつくと、仕事だけでなく生活全体に好循環が生まれます。

 例えば、家で仕事の愚痴をいうのではなく、「今日こんなことがあっておもしろかったよ!」と話せば、家族は嬉しくなりますよね?

 すると会話も自然と弾むし、「またおもしろい話を仕入れておこう」「帰ったらこれを話してあげよう」と思えて、嫌だった仕事のなかにも少しだけ楽しみが増えていくはずです。

 そんなちょっとした楽しみから、仕事への意欲や、アイデアやチャンスも少しずつ生まれてきます。

 

「好きでもない仕事をしているから」と思っていると、その時間のなかに楽しみを発見しづらくなります。それは、すごくもったいないことではありませんか?

 仕事の時間だって、まぎれもなく自分の人生の大切な時間です。

 自分を大切にして、少しでも「好き」を見つけていくことが、仕事だけでなく人生そのものを楽しむ姿勢につながると思います。

<第6回に続く>

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