鈴原希実「憧れの作品は斉藤朱夏さんと渡辺麻友さんの写真集」念願だった写真集出版から、声優を始めてからの成長を語る【インタビュー】
公開日:2025/2/12

デビューからの2年半を振り返り、「性格が少しずつ明るくなってきたかな」と笑顔を見せるのは、声優の鈴原希実だ。アニメ『ラブライブ!スーパースター!!』の一般公募オーディションに合格し、2022年に同シリーズ第2期から桜小路きな子役として出演。スクールアイドルグループ「Liella!」の2期生としての活動もスタートさせた。そして今回、シンガポールで撮影した1st写真集『届け』(KADOKAWA)が2月12日に発売される。本作の撮影エピソードとともに、デビューからの活動を通じて感じた自身の成長についても話を聞いた。
■写真集だから見せられる“大人っぽい姿”
――写真集の出版は念願だったそうですね。
鈴原希実さん(以下、鈴原):ずっと「写真集を出せたらいいな」とは思ってたんですけど、本当に出させていただけるとは思わなくて。お話を聞いたときは「本当ですか?」って何回も聞いちゃいました(笑)。アイドルや声優の写真集を集めるのが好きで、自分もいつかこんな風に出せたらいいなって憧れてたんです。だから本当にうれしかったです。
――写真集の中でも、特に好きな作品や憧れの作品はありましたか?
鈴原:斉藤朱夏さんの『裸足。』が大好きです。海や青空が爽やかで、色鮮やかな感じがすごくお気に入りで、「こんなカラフルな写真集にできたらいいな」って憧れていました。あとは渡辺麻友さんの写真集も持っているんですけど、やっぱり青色が印象的で、「自分も青を基調にしたいな」って思っていました。

――実際にご自身の写真集も、すごくカラフルに仕上がっていますね。
鈴原:そうなんです。水色や白、青とかの爽やかな色味を大切にしたいと思っていたので、理想が叶えられてうれしいです。
――インスタライブでもお話しされていましたが、写真集のタイトルが『届け』に決まった理由を改めて教えてください。
鈴原:候補がいくつかあって迷ったんですけど、自分の素直な気持ちを、これまで応援してくださった皆さんに届けたいっていう気持ちが大きくて、『届け』に決めました。他にも私の口癖でもある『ふんふん』っていう候補もあったんですけど、さすがに1st写真集のタイトルではないかなって(笑)。
――確かに(笑)。撮影では、どんな姿を見せたいと考えて臨みましたか?
鈴原:普段の私からイメージしていただけるような元気な姿や、等身大の姿を大切にしながらも、写真集だからこそ見せられるクールで大人っぽい一面もお見せしたいと思いました。
――さまざまな衣装や表情の写真が収められていますが、特に大人っぽい面を見せられたカットを挙げるなら?
鈴原:黒いワンピースの衣装の写真です。背中が結構開いているデザインで、普段の私とは真逆のイメージなんです。最初は「似合うのかな?」って不安だったんですけど、メイクや雰囲気も大人っぽく仕上げていただいて。出来上がった写真を見たとき、「自分じゃないみたい!」って驚きました(笑)。これが一番大人っぽいカットかなと思います。

――撮影前にはボディメイクなど、特別な準備をされたのでしょうか?
鈴原:1、2ヶ月前から食事には気をつけて、サラダ中心の食事にして、揚げ物を控えたりしていました。あとは普段からやっている筋トレやランニングの量も増やして。でもシンガポールでは、朝食にいろんな種類のポテト料理が毎日出てきて、トルネードポテトとかハッシュドポテトとかいろいろ食べちゃいました。大好きなんです、ポテト(笑)。
――おいしいものの誘惑には勝てませんよね。
鈴原:でもそんなにたくさんは食べていないし、撮影まではしっかり体を整えたので、その成果はちゃんと見せられていると思います(笑)。
――念願の写真集となりましたが、出来上がった作品を見ていかがですか。
鈴原:爽やかさが前面に出ていて、でも大人っぽいカットもあって、理想が詰まった作品になりました。家族にも見せたんですけど、特に制服姿のカットを「めっちゃいいね!」と褒めてくれて。皆さんのもとに届いたらどんな反応をしてくださるんだろうと、すごく楽しみです。

■「真顔時代」から変化した性格「明るくなったね」
――ここからは日頃の活動のお話も。2022年のデビュー以来、約2年半の間でさまざまな経験をされたと思いますが、ご自身が変化した部分や、成長を実感する部分はありますか?
鈴原:性格が少しずつ明るくなってきたかなと思います。私はもともと表情が全然動かないタイプで、学生時代なんて、ずっと真顔みたいな感じだったんです(笑)。だから、笑顔の練習をデビュー前からずっとしていました。鏡を見て「どうやって笑えばいいの?」ってにらめっこしたり…。でも、ライブやメンバーとの関わりを通して、だんだん心がほぐれてきたというか、表情も柔らかくなってきた気がします。
――メンバーからの影響も大きいんですね。
鈴原:同期の子たちの存在は大きくて、私がまだ「真顔時代」と呼んでるくらい無表情だった頃から、すごく優しく接してくれたんです。それと、やっぱり自分が担当した役のきな子ちゃんの存在も大きいと思います。彼女はすごく元気で天真らんまんな子で、「この子を演じるなら、自分が変わらなきゃいけない」と強く思ったんです。もし演じたのが、引っ込み思案なキャラクターだったら、また違ったかもしれません。

――それこそ、鈴原さんには「ダ・ヴィンチWeb」で「鈴原希実のネガティブな性格がちょっとだけ明るくなる本」という連載をしていただいていますが、「ネガティブな性格」について、変化したところはありますか?
鈴原:私、根がすごくネガティブなんです(笑)。でも連載のタイトルの通り、本当に少しずつ明るくなってきたというか。ライブで皆さんの前に出る機会や、応援の言葉をいただくたびに、ちょっとずつ前向きになってきた気がします。
――そうした変化について、周りの方から何か言われたことは?
鈴原:地元の友達に久しぶりに会ったとき、「すごく話しやすくなった。明るくなって、会話が弾むね!」って言われたんです。真顔時代からの友達なので、「そのときから仲良くしてくれてたの、すごいな…」って思いました(笑)。でも明るくなったって言われたのは素直にうれしかったですね。
――逆にこれからも「変わりたくない」と思う部分はありますか?
鈴原:好きなものに対してまっすぐな気持ちは、変わりたくないです。例えば、推しのVTuberさんやアイドルさんを応援する気持ちや、漫画が好きという気持ち。毎日10冊くらい漫画を読んでいて、読まないと夜寝られないくらいなんです。そういう「好き」に対する熱量が自分の長所だと思っているので、大切にしていきたいです。
――最後に、これから挑戦してみたいことや目標を教えてください。
鈴原:演技の幅をもっと広げていろんな役をやりたいです。クールな役や少年役にも挑戦したいですし、歌って踊れるようなキャラクターもやってみたい。それから、歌うことや踊ることも好きなので、ソロでもグループでも、もっと挑戦していきたいです。まだ明確に決めているものはないんですけど、いろいろな活動を通して、自分が好きで突き詰めていけるものを見つけていきたいと思っています。
取材・文=堀タツヤ、撮影=干川修、ヘアメイク=田中陽子、スタイリスト=安見未由
