「このミス」大賞受賞作を『甘えん坊3猫日記』の秀があらすじマンガで描き下ろし! 少年皇帝×日本人絵師が挑む歴史ミステリー『最後の皇帝と謎解きを』

マンガ

PR 公開日:2026/3/6

最後の皇帝と謎解きを
最後の皇帝と謎解きを(宝島社/犬丸幸平)

 第24回「このミステリーがすごい!」大賞・大賞受賞作の歴史ミステリー『最後の皇帝と謎解きを』(宝島社/犬丸幸平)が、2026年1月9日(金)の発売からまもなく2カ月を迎える。SNSなどでは日々新たな感想がアップされるなど、作品への注目度は依然として衰えない。とはいえ歴史ミステリーと言われると、どこかハードルが高そうな印象も付きまとうが、この作品の場合はどうだろうか。改めて物語の内容に注目したい。

 同作は、『チーム・バチスタの栄光』の海堂尊や『さよならドビュッシー』の中山七里など、数々の人気作家を世に送り出した宝島社主催「このミステリーがすごい!」大賞2026年第24回の大賞受賞作。応募総数461作品の中から選ばれた作品で、当時は『龍犬城(りゅうけんじょう)の絶対者』のタイトルで発表された。大賞受賞に伴って書籍化が決定し、その際に『最後の皇帝と謎解きを』へと改題された形だ。

 そんな話題沸騰中の『最後の皇帝と謎解きを』だが、発売を記念して、『最高カワイイ! 甘えん坊3猫日記』や『レオとシロウのドタバタ猫日記』などを手がける漫画家の秀(ひで)氏とのコラボが実現。登場人物の心情や体験を、繊細な筆致で描き出した本作のあらすじマンガを描き下ろしてくれた。

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 物語の舞台は1920年の中国。北京在住で日本人絵師の一条剛は、紫禁城に住む廃帝・溥儀(ふぎ)に水墨画の師として雇われた。しかし、それは表向きの立場に過ぎない。実際には滅亡した清朝を復興させるための資金づくりとして、城に眠る水墨画を贋作とすり替え、真作を秘密裏に売却するという密命を帯びていた。

 その矢先に、紫禁城で密室殺人事件が発生。龍の絵に何者かが描き加えた眼、あるときを境に感情を失くした宦官など、一条と溥儀は閉ざされた城で起きた謎を解き明かすことになる。やがて2人の間には立場を超えた友情が芽生えていくが――。

 史実の溥儀といえば、1908年にわずか2歳で清朝の第12代皇帝に即位。その後1912年の辛亥革命によって清朝が滅亡し、6歳にして皇帝の座を追われるという波乱の人生を歩んできた。そんな悲劇のラストエンペラーを、好奇心旺盛な少年探偵のようなキャラクターに仕立て上げることで、“歴史のif”を楽しめる作品となっている。

 さらに紫禁城という舞台設定を生かした描写も大きな魅力の一つ。一般社会とは異なるルールや価値観が物語に深く絡むため、歴史ミステリーならではの知的興奮を味わうことができる。また著者には世界40カ国を旅したバックパッカー経験も。異文化への深い洞察力や、当時の空気を高解像度で描き出す力量の裏には、そうした経験も関係しているのかもしれない。

 そんな本格的な歴史ミステリーに、溥儀と一条という“本来であれば決して実現しない”関係を加えることで、バディものとしても楽しめる『最後の皇帝と謎解きを』。なお同作は連作短編形式で構成されており、一話完結で気軽に読み進められる点も魅力となっている。話ごとに異なる謎が提示され、それぞれに歴史的背景が巧みに織り込まれているため、ミステリー初心者や歴史知識があまりない読者でも十分に楽しめるはず。

 本書をより楽しむために、まずは秀氏が描き下ろしたあらすじマンガを読むのがおすすめ。物語の輪郭を掴むことでより没入した読書体験を実現することができるだろう。溥儀の人物像や紫禁城内で起きた事件などがわかりやすく描かれており、作品を読む前の予習に最適だ。

「このミス」大賞が見出した新たな才能が放つ、友情×歴史ミステリー『最後の皇帝と謎解きを』。事件の真相、そして2人の友情の行く末は、ぜひご自身の目で確認してほしい。

文=ハララ書房、マンガ=秀

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