【堂々完結!】『ハニーレモンソーダ』はなぜ絶大な人気を誇るのか? 10年の連載で描かれた、現状を変える「勇気」と心を支える「救い」【書評】

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PR 公開日:2026/5/25

ハニーレモンソーダ
ハニーレモンソーダ(村田真優/集英社)

 地味な優等生・石森羽花と金髪がトレードマークの少年・界。正反対なふたりの高校3年間を描く青春ラブストーリーが『ハニーレモンソーダ』(村田真優/集英社)です。近年の少女漫画としては異例の累計1600万部を売り上げた本作がついに完結。10年の連載に幕を閉じ、最終31巻が5月25日(月)に発売されました。

『ハニーレモンソーダ』はなぜそこまで絶大な人気を誇ったのか? それを最終回の扉ページにあった「これは勇気と救いの物語」という言葉から考えていきたいと思います。

現状を変える羽花の勇気が、踏み出す力をくれる

 中学生の時は“石”と呼ばれ、いじめられていた羽花。高校は、行きたいと思っていた八美津高校ではなく、クラスメイトが誰も志望していない進学校を受験する予定でした。しかしその選択について「なんだか逃げてるみたい」とモヤモヤ。そんなある日、羽花は街中で知らない男の子に彼女が落とした八美津高校のパンフレットを拾ってもらいます。直前の中学のクラスメイトとのやりとりを見られていたのか、その男の子は羽花に向けて「こっちが案外似合うんじゃねえの…まぁ、オレも行くんだけど」と一言。それがきっかけで羽花は進学校受験の際、答案を白紙で提出。八美津高校に進学します。

ハニーレモンソーダ
ハニーレモンソーダ

 このエピソードからも、“勇気”と聞いてイメージするのはやっぱり羽花です。「自分を変えたい」と思っても、行動に移すのはなかなか難しいもの。しかし羽花は一歩を踏み出す勇気を持っているのです。

 高校生になってからも、クラスにトラブルがあった時や誰かが困った時、停滞した空気を打ち破る第一声を上げるのはいつも羽花。震えながらでも、突拍子もない意見でも、どうにか現状を変えられないかとなりふり構わず行動しようとする。そんな羽花の勇気に、読んでいると自分も一歩を踏み出せるような気持ちがしてきます。

 冒頭の“知らない男の子”はもちろん界。この時もその後も、界は羽花に勇気をくれる存在です。羽花が自分を否定しそうになった時、落ち込んだ時、界は羽花に必要な言葉をかけてくれます。

ハニーレモンソーダ
ハニーレモンソーダ

 普段誰に対してもそっけない“塩対応男子”な界が、羽花のことだけなぜか特別に気にかけて、界なりに(←この界なりにというところがきゅんポイント!)言葉をかけてくれる。その言葉に羽花は勇気をもらって、再び走り出すのです。

お互いを救い成長し合うふたり

“救い”と聞いてイメージするものは読者それぞれによって違うかもしれません。例えば羽花は、“石”と呼ばれた中学時代から界に出会って八美津高校に入り、たくさんの友達を得ることができた。つまり界に救われています。

 さらに物語が進むにつれ、界の誰にも打ち明けていなかった秘密が判明。ここで詳しく説明するのは控えますが、羽花が心の支えとなり、界は自分の現状と向き合っていくのです。羽花という信頼できる人間と出会ったことによって変化していく界の姿は感動的。ぜひ実際に読んでみてほしいところです。

 そしてこの“勇気と救い”がふたりだけで完結しないのが本作の魅力のひとつ。羽花にとって初めての女友達となったあゆみやその幼馴染の悟など、羽花と界以外のキャラクターも人気者揃いな本作ですが、それぞれが恋愛・友情・進路と3年間で多くの悩みを抱えます。そこを羽花の勇気によって助けられ、時には勇気が伝播して自ら行動を起こし、乗り越えていく。そんなひとりひとりの成長がしっかり描かれているのが、連載10年の本作ならではの魅力でしょう。

ハニーレモンソーダ

 ちなみにタイトル『ハニーレモンソーダ』のレモンとソーダは髪色がレモン、性格はソーダな界のこと。そんな界と羽花の、蜂蜜(ハニー)のような恋模様ももちろん満載。最終31巻でついに卒業を迎えるふたりの恋は、どんなラストを迎えるのか? そちらももちろんお楽しみに!

文=原智香

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