マイケル・ジャクソンの早すぎる死から17年。2年間の厳しいレッスンによるダンスパフォーマンスに注目『Michael/マイケル』【映画レビュー】
公開日:2026/7/2
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2026年7月号からの転載です。

史上最も売れたアルバム『スリラー』を生みだした不世出のスーパースター、マイケル・ジャクソンの早すぎる死から17年。その伝記映画が、本国をはじめ世界各地を席巻中だ。
野心家の父のスパルタ指導のもと、幼い頃から兄たちと歌い続けてきたマイケル。ジャクソン5のデビュー後はリードシンガーとして人気を集め、スターダムを駆け上がるが……。
スクリーンにマイケルを甦らせたのは『ボヘミアン・ラプソディ』の製作グレアム・キング、『トレーニング デイ』のフークア監督、『グラディエーター』の脚本家ジョン・ローガン。“ひとりの人間としてマイケルをみつめること”を目指した彼らがフォーカスしたのは、グループ結成からソロアーティストへの歩みと成長、その裏側の葛藤と素顔だ。強権的な父の支配と呪縛、早熟の天才ゆえの孤独、自由への渇望など、人生の光と影が名曲群に彩られ綴られてゆく。
敵対する本物のギャングたちを登場させた『今夜はビート・イット』や、『スリラー』のMV撮影の舞台裏にも心を躍らせる今作。その再現度の高さには舌を巻くほかないが、オリジナルのロケ地で撮影するなど細部までこだわり抜いたスタッフはもちろん、主演を務めたジャファーの献身なくして今作の成功は語れないだろう。繊細さを宿した瞳と柔らかな微笑みにも惹き込まれるが、厳しいレッスンを重ねた2年間の努力の結晶ともいえる、ダンスパフォーマンスが圧巻だ。彼の歌声とマイケル本人のオリジナル音源を巧みにミックスした音響設計、幼少期のマイケルを生き生きと体現したジュリアーノの逸材ぶりにも唸るほかない必見作。
文:柴田メグミ
しばた・めぐみ●フリーランスライター。『韓国TVドラマガイド』『MYOJO』『CINEMA
SQUARE』などの雑誌のほか、映画情報サイト「シネマトゥデイ」にも寄稿。韓国料理、アジアンビューティに目がない。
『Michael/マイケル』
6月12日公開
監督:アントワーン・フークア
出演:ジャファー・ジャクソン、ジュリアーノ・ヴァルディ、コールマン・ドミンゴ
2026年アメリカ 128分
配給:キノフィルムズ 6月12日より全国公開
●圧倒的な歌唱力と革新的なダンスパフォーマンスで、アーティストの枠を超え、全世界的なアイコンとなった〈キング・オブ・ポップ〉マイケル・ジャクソン。幼少期から人々を魅了してきた彼の激動人生、その偉業とは?
