「部活動廃止」で教師は救われる? 額賀澪『先生が終わらない』が描く教育現場のリアルを育児漫画家が読んでみたら…

文芸・カルチャー

PR 更新日:2026/9/17

先生が終わらない
『先生が終わらない』(額賀澪/集英社)

 部活動って、そんなに頑張らないとダメですか? 小説家・額賀澪氏の最新作『先生が終わらない』(集英社)が、2026年8月26日(水)に発売された。部活動をめぐる教員の労働問題に切り込んだ同作。教師と生徒、それぞれの立場にとって学校の“あるべき姿”とは――。

 著者の額賀氏は、2015年に『屋上のウインドノーツ』(文藝春秋)と『ヒトリコ』(小学館)で異なる文学賞をダブル受賞し、出版社の枠を超えて同時にデビューした作家。『屋上のウインドノーツ』では高校の吹奏楽部を、『ヒトリコ』では“いじめ”をきっかけに友達を作らない少女を描くなど、デビュー当初から青春を題材にした作品を数多く手がけてきた。

 そんな額賀氏が『先生が終わらない』で描いたのは、教育現場の“理想”と“現実”。物語は、都内のある公立中学校で、ひとりの音楽教師が過労死したことから幕を開ける。亡くなった教師は、SNSで「#限界教師」というハッシュタグとともに悲痛な日々を投稿していた。

 事態を重く見た教育庁は、働き方改革を進めるために新しい校長を学校へ送り込む。そこで打ち出されたのが、「定時帰り」「部活動廃止」「完全週休二日制」の3原則。揺れ動く学校で、英語教師の亜梨子、バレー部部長の一花、保護者会会長の優佳らは、それぞれの立場で「学校」のあるべき姿を見つめ直していく――。

 同作で主な争点となっていくのが、部活動だ。朝と放課後、土日、大会が近づけば連休まで練習に費やされる。生徒にとって青春そのものである時間が、顧問を務める教師にとっては際限なく膨らんでいく業務となるのだ。もし働き方改革によって「部活動廃止」が実現すれば、多くの教師が救われるかもしれない。

 しかし、その一方で生徒は部活動を失うこととなる。生徒の本分は勉強と言われているが、部活動を通して人生の道を切り拓いていくケースも多いだろう。子どもたちの青春も、教師の命も、どちらも簡単に天秤にかけられるものではない。だからこそ答えを出すのが難しい問題を一方に偏ることなく描いている点が、同作の大きな魅力となっている。

 今回の発売に合わせ、育児マンガで絶大な人気を誇る漫画家・るしこ(@39baby_com)氏が『先生が終わらない』の紹介マンガを描き下ろした。小学2年生と2歳の子を持つ彼女にとって、子どもを通して教師と接する機会も少なくないという。「保護者」という立場から作品を読んだ、るしこ氏の紹介マンガを読み、『先生が終わらない』が描く問題について考えてみるのも興味深い。

先生が終わらない
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先生が終わらない
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 子どもを学校へ送り出す家庭にとって、教師を取り巻く問題は身近なテーマとなる。教師にとっての働き方、生徒にとっての学校のあり方、その両方を考えるきっかけとして『先生が終わらない』を手に取ってみてほしい。

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