欅坂46・長濱ねるの『トラペジウム』読書感想文

エンタメ

2018/12/21

『トラペジウム』、読ませて頂きました。大先輩である高山さんに敬意を表し、自分なりに感想を書かせて頂きます。拙い話し言葉になってしまうこと、ご了承願います。

『トラペジウム』、水のようだった。

 清く澄んだ混じりけのない水だ。誤解を恐れずに言うと、気取らず美しく“飲みやすい”。

 作者の人となり、記憶、出会ったもの見てきたものをたっぷりと含みながら山を下ってきた雪解け水のようだった。

 純度の高い水はとてもとても美味しい。読み終えたときに思わず、おかわり!と手を上げてしまう私がいた。

『トラペジウム』、星のようでもあった。

 冬の夜空に瞬く透き通った星だ。

 深く暗い夜を含んだ星。

 綺麗なものを見ているのにどこか悲しく物憂くなる。その中で光を放つ星に我に戻されはっとする。儚さに勇気をもらう。

 読み終えたときにまだずっと星空を眺めていたいと思った。

 ふふっと思わず声を出してしまうコミカルな場面やひとつひとつの凝った表現、映像が鮮明に目に浮かぶ煌めく疾走感。

 見透かされているようでどきっとしたり、ふと、ぽつんとした孤独を感じたり、最後にはどばどばと温かいものが流れ込んでくる丁寧で優しい物語だった。

 読んでいて、すごくすごくすごくわかる、と思った。これは高山さんだからこその言葉だ、と思った。

 気が早いのだが、ぜひ次の作品も読みたい、と心から願う。既に『トラペジウム』の大ファンである。

 また更に高山一実さんの魅力に囚われたようだ。また更に好きになってしまった。

【プロフィール】
長濱ねる/ながはま・ねる

1998年、長崎県生まれ。2015年、欅坂46に加入。ファースト写真集『ここから』が発行部数20万部を記録した人気メンバー。本誌で辻村深月と対談するなど、大の読書好き。