文筆家、書評家の三宅香帆さんが選ぶ「親友と呼べるような本当の友達がいない、お悩みに効く本」

文芸・カルチャー

2019/11/10

本の世界には、あなたの現実のお悩みを軽くしてくれたり、生き方のヒントになる作品も数多くあります。今回は、文筆家、書評家・三宅香帆さんに、親友と呼べるような本当の友達がいない、と悩む方におすすめの本をご紹介いただきました。

お悩み:親友と呼べるような本当の友達がいません

■選書したのは…

 小さい頃、母親に「どうしたら友達ってできるのかな」と聞いたら、「絵を描いたり本を読んだり好きなことしてたらいいよ、そしたら自然と同じものが好きな友達が集まってくる」と言われたことがあります。私はいまだに、環境が変わって「新しい場で仲いい人できるかなー」と思うたび、この返事を思い出すんです。

 親友と呼べる友達って、たぶんある程度価値観や趣味や場所や、何かしら共有するから深く仲良くなれるんですよね。そんな友達をつくるには、まず人と共有できるだけの内面――たとえば趣味だったり場所だったり「好きなもの」が手っ取り早いですが――をつくるのがいちばんじゃないでしょうか。

 森茉莉さんの『贅沢貧乏』には短編小説や随筆が収録されているのですが、彼女の趣味や感性のこだわりが全面に出た作品です。読めばきっと、外側をきょろきょろして友達をつくろうとするより、自分の内側を豊かにしたほうが人は寄ってくるんだ、と思うはず。

■処方した書籍

『贅沢貧乏 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ) 』(森茉莉/講談社)