「人前で話すことが苦手です。どうすればリラックスして話せるようになりますか？」柄本佑が大学生の悩みに直球回答！

　1月21日に公開された映画『真夜中乙女戦争』で永瀬廉さんが演じる無気力な大学生“私”が出会う、全身黒ずくめの男。同じ大学生でありながら、どこか悟ったような言葉で主人公を非日常へと誘っていく“黒服”を演じた柄本佑さんに、現役大学生たちのお悩み相談に答えてもらいました！

（構成・文＝立花もも）

柄本佑さん（以下、柄本）　ワンチャンあるんだから、これはもう一回行くべきだと僕は思います。相手の方が改めてあなたの良さに気づくかもしれないですし、それで砕けたとしても、今度こそ諦めがつくじゃないですか。それよりも、相手が成就しなかったことも知っているのに何もしないままでいるほうが後悔すると思います。これはチャンスなんじゃないかなと思いますので、ぜひともアタックしてみてください。

柄本　僕も何回も言われたことがあるんですが、「もう遊び終わりました」くらい言ってあしらっとくのがいいと思います。真剣にとりあわなくて大丈夫です。

柄本　僕も若いときは人前で話すのは苦手でしたし、とくに年上の先輩方がいらっしゃる場では「自分がしゃべらなくてもいいや」と甘えていたところもありました。でも最近はそうもいかなくなってきて……慣れないうちは「しゃべろう」と思うほどに焦ってしまって、うまくいかないんですよね。それはたぶん、まわりの人のペースに引っ張られて、自分の中に流れる時間が乱されてしまうから。だから僕は「耳」をうまく使うようにしています。まわりの音にちゃんと耳を澄ませて聴いていると、自分の中に流れる時間も感じられて、落ち着きを取り戻すことができる。そうすると、自分の言葉もちゃんと探すことができます。

　最初は、ゆっくりでいいんです。間を恐れず、相手の時間に合わせず、むしろその場に自分の時間を流すくらいのつもりで、自分の呼吸とリズムで話すようにしてみてください。たどたどしくなっちゃうかもしれない、相手を待たせちゃうかもしれない。でも、それでいいんです。今は、時間をかけていい時期なんですから。慌てずに耳を澄ませるということを、一度、試してみてください。

柄本　どんなお仕事をするにしても、新しく何かを始めるときに不安はつきもの。僕らも新しい現場に入るときには、常に「うまくやっていけるだろうか」と胸に抱えていますからね。そういうとき僕が意識しているのは、自分だけの秘め事をつくるということ。現場ごとに、していいこと・してはいけないことは色々あると思うし、まわりの人たちの言葉に謙虚に耳を傾けなきゃとも思うけど、そういう基本的な姿勢とは別に、自分だけのテーマというか、「この瞬間があれば頑張れるぞ」みたいな楽しみを、些細なことでいいから持っておくんです。

　忘れちゃいけないのは、それが何かは、決して誰にも明かさないこと。誰にも邪魔できない、自分だけの楽しみだからこそ、何があっても乗り越えることのできる勇気になってくれると思います。

映画『真夜中乙女戦争』
公式サイト：https://movies.kadokawa.co.jp/mayonakaotomesenso/