今までのキホンって本当に合ってる?『トクサンTV』が教える、守備率10割になれる守備理論とは

スポーツ・科学

2019/9/7

『トクサンTVが教える 超守備講座』(トクサン/KADOKAWA)

 野球では試合でも練習でも守備に多くの時間を費やす。そこには古い指導法も残っていて、現在の選手の上達につながっていないこともある。「今までのキホンって本当に合ってる?」をテーマに、今のあるべき“伝え方”で守備理論をまとめた一冊が登場した。

 登録者数47万人を突破し、日本一の野球YouTubeチャンネルとして草野球を楽しむ大人から少年野球世代まで、幅広い野球人から支持されている「トクサンTV」。同チャンネルでもお馴染みのトクサン初著書の『トクサンTVが教える 超バッティング講座』(KADOKAWA)に続いて、同シリーズの第二弾として『守備講座』が発売された。ここでその独自の理論の一部を紹介しよう。

野手の定義、それは“アウトにする人”

 例えば、野球の守備を考えると、まず思いつくのが、「しっかり捕らなきゃいけない」ということ。でも、それは当たっているようで、実は本質からズレている。捕れずに、グラブからこぼしても、その時点では問題ない。ボールを拾って送球し、アウトにすればいい。ならば、野球の守備の目的は「相手をアウトにすること」となり、それを行う野手の定義は、ピッチャーが打たれたときに「アウトにする人」となる。そう考えると、守備の見方はかなり変わってくる。打球に挑む意味がわかり、守備の景色も変わってくるはずだ。

両手で捕るのは体幹エリアだけ

 基本的にはシングルハンドで捕った方が、グラブの届く範囲は広くなるので合理的。ただし、両手で捕った方がいい場合もある。両手で捕ることのメリットは、すばやく握り替えができて、早く送球姿勢をつくれること。時間的余裕が生まれるのだ。いろいろな言い方があるが、体幹に近いエリアであれば、両手がいいと考えてほしい。このあたりならば、ボールが変化しても対応できるし、握り替えがすばやくできて、利点が生かせる。それ以外は、両手のメリットはない。ムリにカラダの左右に出しても、握り替えが困難だし、送球を捕るときも、早く捕るにはカラダを伸ばせるシングルが正解だ。

「ヒザをついて捕れ」そう言われた遠い記憶が……

 結論から言えば、ありえない捕り方。野手はボールを捕ったら、アウトにしたり、ランナーの進塁を防いだりするために、すかさず送球するもの。ヒザをつくと、これが遅れる。もしかしたら、この種の指導法は僕らが生まれる前の、布製のグラブを使った時代の名残なのかもしれない。精度が低いので、どうしても投げ手やカラダも使って捕るしかなかったからだ。でも、今はグラブも進化し、その必要はない。指導法も変わるべきだ。

「正面で捕れ?」ところで、正面ってどこ?

 足を使わずにグラブを出すだけで打球を捕ろうとする選手に、「足を使って回り込んで、打球の出た方向に正対して捕れ」という意味で使われたのだろう。多分に限定的な状況で有効な言葉なので、普遍的に使うと意味不明だ。さらに、長いので略して、もっとわからなくなる…。もちろん、足を使うことは大前提。でも、厳しい打球にいちいち回り込む余裕はない。どっちを向こうが構わない、打球に向かい、アウトに挑め。

「上から投げろ」だそうです。なんか変な気がします

 現実の話、上から投げる人はほぼいない。「上から投げろ」と言った人も、絶対、そうではない。本当に上から投げているのは、長身の外国人投手などが、上から投げ下ろす角度を生かしたピッチングをするために、ムリヤリ上体を傾けてまでリリースの手を上にしている場合だけ。激レアな存在なんだ。そうでない限りは、スリークォーターか、サイドから手が出るのが普通。ムリをすると、肩やヒジを故障する原因にもなる。自分に合った角度で投げていい。

苦しみながらノックを受けるだけが、守備練習ではない

 野球の練習では多くの時間を守備練習に割く。でも、ほとんどがノックや、内野連携が中心で、ハッキリ言えば空気が重い。でも、泥にまみれて、苦しむだけが守備練習じゃない。守備の動きはダッシュして、ボールに近づき、捕って、投げる複合的なもの。だから、いろんな方法で分解して、それを反復練習することもできる。たとえば、キャッチング練習もそう。相手に右や左にボールを出してもらい、それを捕って、グラブトスで返す。これがグラブさばきのいい練習になる。

 野球の守備は、相手をアウトにしたり、進塁を防いだりするのが目的。そんな目的に則した内野、外野の守備のイロハを、本書ではさまざまな角度から解説。上達のために大事なことや、気にしすぎるとよくないことまで、現在の事情を考えた上で、トクサンが今あるべき守備改善の秘訣を伝授している。楽しいバッティングに対して、なんというか、守備練習は厳しく苦しい印象がある。でも工夫やアイディアで、その時間はもっと楽しくなる。この本を読めばきっと、すぐにでも守備練習がやりたくなってくるはずだ。

【著者プロフィール】
トクサン
1985年、東京都出身。本名は徳田正憲。SWBC JAPAN 軟式日本代表。帝京高校で甲子園出場、創価大学では主将として全国ベスト4、リーグ首位打者、盗塁王に輝く。日本プロ野球2球団のドラフトにリストアップされた実績も持つ。2016年8月にYouTubeにて「トクサンTV」をスタートさせ、チャンネル登録者数47万人、再生回数3億2千万回を突破し、日本一の野球チャンネルとなっている。ホームランを連発するパンチ力も持ち、守備も未だプロ級の野球ユーチューバー。所属する草野球チーム「天晴」の主将にして絶対的存在。
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