災害時に役立つ! 危機管理のプロが教える『自衛隊防災BOOK 2』が発売

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公開日:2019/10/29

『自衛隊防災BOOK 2』(マガジンハウス:編集、自衛隊・防衛省:協力/マガジンハウス)

 強烈な台風や記録的な豪雨など、甚大な自然災害や異常気象が続き、防災の大切さを改めて感じている人も多いだろう。これまで危機管理の甘かった人も、“自分の身は自分で守る”ことの重要さを噛みしめているはずだ。

 そんな時に役立つ『自衛隊防災BOOK』の第2弾『自衛隊防災BOOK 2』(マガジンハウス:編集、自衛隊・防衛省:協力/マガジンハウス)が2019年10月に発売された。全国の自衛官が実践する防災の知恵をまとめたシリーズの第1弾は、テレビで話題となり30万部を突破するベストセラーに。これに続く今回の第2弾は、大雨、地震、火事、強風、大雪など災害別に整理した129のテクニックを掲載。イラストや写真とともに分かりやすく説明されている。

 本書の中からいくつか紹介しよう。

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 まずは大雨で川が氾濫した時。車が浸水した時は、むやみにエンジンをかけずに水が引いてからレッカーを呼ぶのがいいという。また、川の中州で取り残されたら安全な木などの高い場所へ避難。泳いで逃げようとするのはかえって危険だ。

 火事に遭遇した際は、煙や炎は風下へいくので非難は風上へ。水辺が近くにあればなおいいという。また座布団などにタバコなどの火が付いてしまったら、浴槽に沈めて入念に消火を。台風などの強風の時には窓ガラス全体にダンボールを貼ることで、飛散防止になるという。

 また、防災バッグの中にトランプを入れておくと避難所生活の気分転換になる、非常食の缶詰めは湯せんして毛布でくるむと2~3日は油分が固まらずにおいしく食べられる、といった日頃から現場を経験している自衛隊員ならではの知恵も。後半には海外旅行を安全に楽しむためのコツなどの日常生活で役立ちそうな情報もつづられており、ページをめくるたびに「なるほど~!」の連続だ。

 危機が差し迫っている状況で、「どう行動したらいいか分からない」では確実にパニックに陥る。“備えあれば憂いなし”の1冊に家族全員が目を通しておけば、いざという時に冷静な判断が下せるかもしれない。

文=齋藤久美子