「やりたいなら、やればいいじゃん!」ホリエモンが学校教育の常識に風穴をあける!

社会

2017/9/12

『すべての教育は「洗脳」である』(堀江貴文/光文社)

 なぜ、パン屋さんではだめなのか?

 昨今、そんな議論が巻き起こった。話題の渦中にあるのは、小学校1年生向け道徳の教科書の「にちようびの さんぽみち」という題材。

 主人公の少年が祖父と散歩をしながら自分が住む街の新しい魅力に気づくという内容だ。この中で、少年と祖父が「友達の家のパン屋さん」に立ち寄るのだが、この内容に文部科学省から検定意見が付いた。

 学習指導要領に示す「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度を学ぶ」に照らし不適切、というもので、文科省によれば教科書の内容“全体”に検定意見を付けたという。

 このような場合、具体的な修正箇所や方法は教科書会社に委ねられるが、文科省の指摘をふまえて「パン屋」から日本の伝統的なお菓子を扱う「和菓子屋」に修正した。ニュースでは、「パン屋」はNGで「和菓子屋」はOK、と強調して報道されたため、ネット上で炎上、文科省にも苦情の電話が相次いだという。

 そもそも、道徳教育を行う「修身」は、第2次世界大戦前の学校で始められた。戦後、軍国主義的だということでGHQにより廃止されたが、その後「道徳」として復活。小中学校で週1時間の授業枠が設けられた。「価値観のおしつけになる」という批判、形骸化しているという指摘もあったが、昨今の深刻化するいじめ問題対策の意味もあり、小学校では2018年から、中学校はその翌年から新たに検定教科書が導入されることとなり、「道徳」は「教科外」から「特別の教科」に格上げされた。

 教育を語る人は世の中にたくさんいる。なかなか正解が見えない問題だけに、千差万別な教育論が数限りなくあるが、タイトルにドキリとして思わず手に取った本がある。

 『すべての教育は「洗脳」である』(堀江貴文/光文社)は、副題に「21世紀の脱・学校論」とあり、いつも斬新な提言と歯に衣着せぬ物言いで話題になる堀江貴文氏初の、まるまる1冊を教育をテーマに費やした著書である。堀江氏がいつも口癖のように言っているアドバイスは、

「やりたいなら、やればいいじゃん!」

 それができない人が多いのは、そうすることを許さず「我慢すること」を美徳と掲げる日本の教育に原因があるという。つまらない授業でも「我慢」して聞くこと、欲しいものを「我慢」して貯金すること、いやな仕事でも「我慢」して勤め続けること、その全てを堀江氏は時間の無駄、と一蹴する。過労死問題やいじめ問題を引き起こしているのも、親、学校、そして社会全体から絶え間なく「脅迫」され、「我慢する癖」をつけられてしまったせいであると。

 学ぶこととは学校でおとなしく座っていることではなく、子どもの頃のように「ハマること」、つまり大人にとってはちっとも面白くないようなことにも「没頭する」ことが大事だと語る。

 アクセルを踏みながら同時にブレーキをかけてしまって動けなくなっている自分を変えたい、という人は思い切って本書に背中を押されてみてはいかがだろうか。

文=銀 璃子