ポリ袋で作れる「お湯ポチャレシピ」とは? 親子で学べる「防災マニュアル本」

暮らし

2018/9/20

『防災教室 災害食がわかる本』(今泉マユ子/理論社)

 親にとって我が子は、目に入れても痛くないほど愛おしい存在であるため、いつでも我が子の身を守ってあげたいと考えている方は多いだろう。しかし、災害時は子どもの傍にいられない可能性があるからこそ、事前に『防災教室 災害食がわかる本』(今泉マユ子/理論社)を読み、非常時を生き抜く術を我が子に教えてみよう。

 著者である今泉氏は2人の子どもを持つ、管理栄養士。2011年に東日本大震災が起きたとき、災害食の大切さを実感し、食を備えることの大切さを伝えたいと思ったそうだ。

 そんな今泉氏が手がけた本書は子どもがひとりでも読めるよう、漢字に読み仮名が付けられており、難しく感じてしまいがちな防災マニュアルや災害食に関する知識を優しく教えてくれる。

■災害食ってどんな食べ物?

 災害時はどんな災害食を備えておいたかによっても、健康状態が左右される。しかし、「災害食」と聞いてもどんなものなのか、いまいちピンとこない方も多いはず。そんなときはまず、親子で災害食とはどのようなものを指すのかを学んでみよう。

 今泉氏によれば、かつて非常食と呼ばれていたものを近年では災害食や防災食と呼ぶことが増えてきているのだそう。昔の非常食は長期保存とエネルギー補給を最優先に考え、水分が少なくて固い、非常時だけの食べ物であったのに対し、現在では普段でも食べられ、おいしさを楽しめるようなものが増えてきているのが特徴だ。

 たとえば、火を使わずに温められる発熱剤入りの災害食セットは電気やガス、水道が使えないときに大変便利だ。

 作り方も簡単で、加熱袋に発熱剤と食品をパックごと入れた後、断熱段ボールを敷いた箱に加熱袋を入れ、発熱溶液を加えるだけ。すると、90度以上にもなる蒸気が発生し、約30分後には温かい食事にありつける仕組みになっている。こうした災害食は、常温の状態で長持ちさせられるのもポイントだ。

 また、災害時には便秘や体調不良を引き起こさないため、野菜が摂れるような災害食も準備しておく必要がある。実際に東日本大震災や熊本地震などでは野菜が足りず、栄養不足に陥ってしまう人も多かったそう。野菜は生のまま長期保管しておくことが難しいため、野菜ジュースやレトルトのスープなどを災害食として備えておこう。汁物の具などになる、乾燥した野菜もおすすめだ。

 近年は他にも進化した災害食が数多く発売されているので、万が一の時のために災害食をすでに用意している方も本書を参考にして、家の備蓄の中身を再考案してみるとよいかもしれない。

■子どもでも作れる! 親子で覚えておきたい非常時の“サバイバルレシピ”

 災害で電気やガス、水道が止まってしまうと、普段のように料理が作れないため、何を食べて命をつないでいけばいいのか悩んでしまうことも多いはず。そんな時にこそ活用させたいのが、今泉氏が提案する「お湯ポチャレシピ」だ。

 ポリ袋を使用することで作れるお湯ポチャレシピはうまみを逃さず、いくつかの料理をひとつのナベで同時に作ることができるのが特徴。貴重な水を大切に使えるこの調理法は6つのポイントを意識しながら実践していこう。

 真空に近い状態になるため火の通りが早くなり、味が染みやすくなるというのもお湯ポチャレシピのメリット。ラーメンやお雑煮、肉じゃが、ケーキなどが作れるだけでなく、ご飯を炊くときにも役立つので、災害時に備え、日頃から親子でお湯ポチャレシピを練習してみてほしい。

 北海道胆振東部地震のような巨大地震は、どこの県でも起こる可能性がある。災害食は備えておかなければいけないものだから、どんなものをどれだけ用意したらよいのかを本書から学んでみてほしい。

文=古川諭香