無駄なビジネスメールに潰されかけてない? マクロ機能で今日から働き方改革ができる

ビジネス

2018/9/18

『メールに使われる上司、エクセルで潰れる部下 利益生むホントの働き方改革』(各務晶久/朝日新聞出版)

 AIが発達することで、人間は単純な仕事をする必要がなくなる――。おそらく本稿の読者は、それを耳にタコができるほど聞いているだろうし、遠くない将来にそういう時代がくることはどうやら間違いなさそうだ。だが、それは“今すぐ”に実現することではない。あなたが“今”やっている仕事には、依然として面倒なルーチンワークや、意味があるのかわからない会議やメールなど、たくさんの“ムダ”が溢れているだろう。本書『メールに使われる上司、エクセルで潰れる部下 利益生むホントの働き方改革』(各務晶久/朝日新聞出版)は、AIの時代が本格的に来る前でも、今ある情報やツールをきちんと使いこなすことで、さまざまな“ムダ”を排除できるはずだと主張している。著者は、経営・人事コンサルタントとして、実際に多くの会社で生産性向上に貢献しているから、その効果は実証済みだ。本稿では、そうした取り組みの一部を紹介したい。

■挨拶は不要! 返事は最低限! メールの“ムダ”をどうカットする?

 ビジネスメールにムダを感じている人は多いだろう。冒頭の挨拶や、ねぎらいの言葉など、相手に“気遣い”をしなくてはいけない部分が多く、丁寧に書いていると時間はあっという間にすぎてしまう。著者がかつて担当したA社では、管理職は在社時間のおよそ3分の1もの時間をメールの処理に使っていたという。

 そのA社では、部下からのメールに上司が丁寧に返信する文化があり、簡単な報告メールにも、助言などを添えて、読んだ旨を伝えるメールを出していた。そこで、著者は「部下からの報告メールには、原則として返信しない」というルールを取り決めた。これによって、上司から部下宛てのメールは、これまで1人あたり約320通/月だったところが、なんと60通にまで減少したという。1通あたり3分かけていたと考えれば、これは1カ月で780分(=13時間)の削減になる。さらに、社内メールでは「お疲れ様です」「お忙しいところ大変恐縮ですが~」などの挨拶を禁止し、「用件のみシンプルに伝える」ことを徹底した。これも書き手・読み手の双方の時間短縮につながったという。

■エクセルやワードの“マクロ”機能、使ってますか?

 エクセルやワードといった日々使うソフトウェアも、その機能をもっと使いこなすことができれば、大幅な業務改善にすぐつながる。例えば、“マクロ”という機能がある。これは、エクセルやワードで行った操作を記録し、それを1クリックで再現できる機能で、繰り返し行う作業時間を短縮することができる。だが、著者によれば、「3年以上の正社員経験がある人」のうち、このマクロを使える人はわずか5%しかいないという。著者は、かつて担当したB社で、マクロ機能や市販の効率化アプリで、業務のスリム化を目指す「マクロ探偵団」を結成。その結果、ベテラン社員が毎日3時間かけていた作業を自動化し、1クリックで処理できるようにする…というように、次々と大幅な時間短縮を実現した。

 本書では、他にも会議や稟議書のムダにメスを入れ、業務の効率化を達成してきた事例が数々掲載されている。取り上げられている問題は、どんなオフィスでも似たように起こっているであろう「あるある」ばかりなので、自分の業務を改善するためにも大いに参考になるはずだ。AIが作る未来にただ期待する前に、“今”できる改善に取りかかってみてはどうだろう。

文=中川 凌