人の話を聞くと疲れちゃう人に朗報! 精神科医お墨付きの“聴く技術”とは?

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更新日:2021/6/17

■疲れずに人の話を聴ける人になるには?

 疲れずに人の話が聴けるようになるにはどうしていけばいいのだろうか。そう疑問に思った方は、細川さんが人の話を聴く練習をするワークショップで学んだポイントを日常会話の中に取り入れてみよう。細川さんが知った話し方と聴き方のポイントは、全部で5つ。

 ワークショップで14人×5分という膨大な時間、参加者の話を聴き続けた細川さんは傾聴後の疲労感のなさに驚愕。普段、いかに自分が雑念を持ちながら会話をしてきたのかを実感した。

“今まで私は人の話を真剣に聴いているつもりだったけど 相手の話がちゃんと聴こえてなかったのかもなあ”

 細川さんのワークショップ後のリアルな感想に触れると、自分のコミュニケーションの取り方を見つめ直してみたくなる。「相手のために話を聴きたい」という想いは、無意識のうちに「話を聞いてあげている」という傲慢さに変わってはいないだろうかと、自分に問いたくなってしまうはずだ。

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■毒親や苦手な人との関係も“聴き方”で改善させられる

 口を開けば愚痴や不満ばかり話してくる相手には、どんなアドバイスをしてもぬかに釘。毒親育ちの方は、自分が親の愚痴吐き場になっているように思える時もあるだろう。しかし、本作の聴き方を取り入れていけば、そんなしんどさを軽減させることができる。

 実際、細川さんが参加したワークショップで進行を務めていたトモコさんも聴き方を変えることで母親との関係を改善させたひとり。日常的な愚痴の聴き方を変えたところ、自分の気持ちに余裕が生まれ、母親の態度も変化し、良好な関係を築けるようになった。

 自分が楽になることで、相手も楽になれる。…そんな聴き方ができたら、私たちはもっと生きやすさを噛みしめられるはず。苦手な人や毒親の性格を変えることは難しいからこそ、“相手を変えようとしない聴き方”を意識することで、心の重荷を減らしていこう。

 なお、本作には苦手な内容の話や自慢話、怒っている人の話の聴き方なども紹介されているので、状況に合わせて対処できるようにもなれるはず。人間関係はコミュニケーションのズレが原因ですれ違ってしまうことも多いものだが、“聴き方のズレ”を解消できれば、人と関わることは、もう怖くない。

文=古川諭香