たった1分で今夜の献立が決まる! 伝説の家政婦・志麻さんのすごい献立作り

暮らし

公開日:2019/5/28

『1分で決まる! 志麻さんの献立の作り方』(志麻/マガジンハウス)

 毎日の献立作りは大変な仕事。冷蔵庫にある食材をもとに、コレがあればこの料理が作れそう、と考えつつ栄養バランスも考慮して…それが毎日、毎食ともなると、うんざりしてしまうこともしばしば。

 しかし、予約殺到の伝説の家政婦・志麻さんの手にかかれば、ものの1分で献立を考え、あっと言う間に15品程度の料理が完成! あまりの効率のよさに頭の中を覗いてみたくなるところですが、著書『1分で決まる! 志麻さんの献立の作り方』(マガジンハウス)ではそのコツを惜しみなく語っています。

フレンチの考え方を取り入れて、毎日の献立作りが楽に

 志麻さんが家政婦になる前の経歴は、フレンチレストランのシェフ。厳しい修行によって習得した腕があってこそのスピードかと思いきや、そのベースは誰でも真似できるフランスの家庭料理の考え方にありました。

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和食の場合は使う食材があらかじめ決まっていることが多いのですが、フランス料理の場合、まずメインの食材があって、次にどう調理するかを考えるのが基本です。そこに野菜たっぷりのつけ合わせを添えるので、「じゃがいもがないから肉じゃがが作れない」「大根がないからぶり大根は作れない」という発想にならないのです。

「食材がない」と悩む必要がないのがフレンチスタイル。まずメインの食材を決め、それに合った調理法を選択し、メインに合う味付けをしたつけ合わせを作る。ゴールを先に決めるのではなく、手前から積み重ねていくイメージです。「あるもの」をどうやって調理するかを決めていくから、効率が上がるのです。

【志麻さんの献立作りの基本】
STEP 1:メインの食材を決める
STEP 2:メインの調理法を決める
STEP 3:つけ合わせを決める

 メインの食材は、その時に冷蔵庫にあるものでOK。本書では食材ごとの下ごしらえの方法や相性のいい調理法を図鑑のように紹介しているので、こちらを参考にさまざまな食材にチャレンジするのもいいですね。

食のバリエーションを楽しむ

 メインの食材を決めたら、調理法を決めます。基本の7つの調理法を押さえておけば、同じ食材を使ってもまったく別の料理に仕上がり、ワンパターンから脱出できます。

 調理法も決して難しいものでなく、「蒸し煮・蒸し焼きにする」「グリルで焼く」「煮込む」など身近なもの。「オイル煮にする」「ソテー・ポワレにする」などフランス料理の調理法も出てきますが、「基本は簡単です」と志麻さん。

野菜はつけ合わせでたっぷりと

 次につけ合わせを決めますが、このメイン料理にはこのつけ合わせでなければならない、というルールはないそう。味の濃いメイン料理ならあっさりとしたゆで野菜を、といった具合でメインに合わせて調整します。つけ合わせの調理法も、たった7つ。調理法の中に「ピュレにする」があるのはフレンチならではですが、これを知っておくとニョッキ、スープなどさまざまな料理に応用できて便利なんだとか。

志麻さんの絶品おすすめレシピが満載

 本書には、メイン料理、つけ合わせそれぞれのおすすめレシピを調理法ごとに紹介しています。調理法が同じならどのレシピも基本的な流れが同じなので、料理初心者の筆者としても気楽にふだんの献立に取り入れられそうなものばかりでした。

 簡単なのに凝った味付けで見栄えのいい料理ができるので、ちょっとしたおもてなしのシーンにテーブルに出しても喜ばれそう。献立のマンネリを打破してくれること請け合いです!

文=箕浦 梢