女性に喜ばれる! ご祝儀袋、リングピロー…季節やシーンにあわせて結ぶ「水引レシピ」

暮らし

公開日:2019/6/26

『暮らし・行事・ハレの日を結ぶ 水引レシピ』(田中杏奈/グラフィック社)

 令和という新たな元号の幕開けとともに、日本の伝統文化を改めて見直したり、清々しい気分で日常を過ごしたいと思う人もいるかもしれません。そんな人におすすめしたいのが、『暮らし・行事・ハレの日を結ぶ 水引レシピ』(田中杏奈/グラフィック社)です。

 そもそも「水引」とは、和紙をこより状に丸めて、よりが戻らないように水のりを引いて固めたもの。その歴史は古く、なんと飛鳥時代にまで遡ります。遣隋使が日本へ帰って来る時、随伴した返答使が持つ答礼品に、赤と白で染めた麻紐が結んであったことが、現在の水引の風習へとつながりました。

「おもてなしの心や奥ゆかしさ、四季のうつろいを、様々な形で表現してきた日本人の感性が形作った『水引』という伝統文化を、少しでも多くの方に知っていただけるご縁となれば幸いです」と書かれた著者の言葉からも、水引の持つ美しさや和の世界を感じることができます。

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 複雑に見える水引ですが、すべては1本のひもから作られています。本書には、基本のキとなる水引のさまざまな結び方がプロセスつきで紹介されているほか、華やかなシーンで使いやすいアイテムから、日常のプチギフトとして使える水引アイテムなども掲載されています。

 例えば「ハレの日を結ぶ」の章にあるのは、結婚式のお祝いには欠かせないご祝儀袋にはじまり、縁起のいいあわじ結びを組み合わせて作ったリングピローなどもあります。見ているうちに、何か1つでも作ってみたくなります。

 最近ではパールフィルムを巻いた素材やカラフルな色合いの水引もあるので、自由な発想で組み合わせて結び方を変えるのもいいでしょう。しかし、贈る相手や使う場所で無作法にならないためには、それなりのお作法や知識も必要です。例えば色。慶事に使われる紅白、弔事に使われる黒白、また結納や婚礼で使われる金銀のように、本来の水引は用途によって使う色が異なります。本書には、「水引の基本」として、色の持つ意味や水引の本数といった基本的な事項もしっかり掲載されているので安心です。

 時には水引の色をアレンジして、季節の変化を楽しんでみてはどうでしょうか。本書には夏に使いたい色として、若竹色、薄浅葱色、亜麻色、露草色などの水引なども掲載されています。伝統色名とグラデーションの一覧を眺めるだけで、美しい色に彩られた四季の風景に想いを馳せることもできます。

 実は水引には、品物が未開封であることを示すほか、邪気を払って贈り物そのものを清めるという意味や、贈る人と受け取る人を強く結ぶという特別な意味もあります。これも日本の風習だからこそ、日常生活に取り入れることで日本人の美意識が感じられるのでしょう。

「様々な願いが込められた習わしや年中行事が、これからも末長く、受け継がれることを願って」という著者の言葉のように、毎日の生活を丁寧に積み重ねることで、心が豊かになることに気づかされる一冊です。

文=富田チヤコ