上品なあの人は何が違う? 「品」を磨くために心がけたいポイントとは

暮らし

2019/7/6

『「品がいい」と言われる人』(鹿島しのぶ/三笠書房)

 周囲から「あの人、品がいいな」と思われている人は、ほかの人とどこが違うのだろう。職場でもプライベートでも、上品な人は好感を持たれるので自然と周りに人が集まってくる。そんな人になるためには、言葉遣いや立ち居振る舞いなどに気を配らなければならない。『「品がいい」と言われる人』(鹿島しのぶ/三笠書房)には、品がいい人になるためのポイントが紹介されている。この本にまとめられている内容を実践し続ければ、自分の「品」を高めることができるだろう。

 著者の鹿島しのぶ氏はプロの司会者として活躍してきた人物だ。2017年まで駿台トラベル&ホテル専門学校のブライダル学科長を務めており、ブライダルやビジネスマナーについて学生に指導した経験もある。

 鹿島氏によれば、品がいい人はポジティブなのが特徴だそうだ。仕事を引き受けるときに嫌な顔をしたり、すぐにかっとなって怒り出したりする人は、とても品があるとはいえないだろう。そのような人は感情をコントロールできておらず、信頼を得るのも難しい。マイナスな感情を表に出しても良いことは何もなく、場合によっては事態が悪化することだってある。鹿島氏は例として、自身がブライダルの司会者をしていたときの経験を挙げている。

 結婚式を控えた新婦の中には、マリッジブルーになっている人もおり、スタッフに対してひどい言葉を浴びせる人もいるそうだ。また、式の準備中に、親族間のトラブルが起こることもある。しかし、そのような場合でもスタッフは決してイライラした表情を見せない。常に相手の立場で考え、イライラしたくなる気持ちに理解を示すのだ。そして鹿島氏は以下のようにまとめている。

「品のいい人は、本当に前向きで明るい人です。「どうしよう」「困ったな」とオロオロする前に、「大丈夫」「なんとかなる」とプラスの言葉を発して、いつの間にか自分だけでなく、みんなの心も前向きにしてしまいます。

 このように本書では、著者自身の司会者としての経験や学生に指導した経験も交えながら、品がいい人のポイントが説明されている。そのため、品がいい人の特徴を具体的にイメージしやすいのだ。

 また、鹿島氏はTPOに合わせて服を選ぶことの大切さについて、シャネルの創業者であるココ・シャネルの以下の名言とともに説明している。

「下品な服装は服だけが目につき、上品な服装は女を引き立たせる」

 若者の間で流行するファストファッションは、普段使いにはふさわしいものだが、年齢を重ねて責任を負う立場になったり、フォーマルな場に出たりするときには注意が必要。人の価値が服装によって判断されることは多く、場違いなファストファッションはその人自身を安く見せたり、礼儀知らずだと思われたりする可能性がある。ただし、ブランドものをいつも身につけていれば良いというわけではない。シーンに応じた洋服選びが必要なのだ。

 さらに、怒りの感情がいかに品性を損なうかという説明で、鹿島氏は2018年のテニスの全米オープン、大坂なおみ選手とセリーナ・ウィリアムズ選手が対戦した決勝戦の出来事を挙げている。どんなに努力を重ねて世間から認められている人でも、たった1回感情的になっただけでイメージを悪くしてしまう。

 本書では、著者の経験談に加えて有名人の名言、品の良さ・悪さがニュースで話題になった社会の出来事なども取り上げながら説明されているので、品が良い人になるためのポイントに説得力があるように感じられた。ここで紹介した例以外にも、品がいい人の習慣や心構えなどが紹介されている。

 自分の品格を磨きたい人、もっと魅力的になりたい人におすすめの一冊だ。

文=かなづち