職場や学校、仲間内で「居場所がない」のはどうして? 現代人に送る“居場所論”

暮らし

2019/9/1

『自分の居場所はどこにある?』(渡辺龍太/CCCメディアハウス)

 あなたは無理していないだろうか?

 私たちはときに「居場所がない」と感じ、ネガティブな気持ちになってしまう。居場所がないと感じるとき、私たちは実際どのような状況に置かれ、どういった感情に苛まれているのか。

 放送作家で、即興演劇に造詣の深い渡辺龍太さんによる“居場所論”が綴られているのは、『自分の居場所はどこにある?』(CCCメディアハウス)である。「居場所」を分解し、深掘りし、さらにはそれを確保するための方法まで記されている貴重な一冊だ。

 まず、居場所がないという感覚は「集団の中で自分の役割がわからず、とるべき行動が思いつかない状態」に陥ったときに発生しやすい、と渡辺さんは分析する。自分の存在や発言が必要とされていなかったりすると、そのような状態に嵌る可能性が高いそうだ。

 それでは、私たちはどのようにして居心地の悪さを解消し、居場所をつくっていけばいいのだろうか?

居場所はつくるのではなく、発見し、受け入れよう

 渡辺さんによると、「居場所づくり」とは自分の中に相手と関わることで生まれる何かを発見し、受け入れることだそうだ。大切なのは、相手にとって有益な“ギブ”。自分があげたいものをあげても無意味で、誰かに「ありがとう」と言われるような“ギブ”を提供することで、居場所は自ずとつくられていく。

役割を認識し、行動量を増やそう

「友達は忙しそうだし、私に対して何のアクションも起こしてくれない」と感じたときは、相手にとっても同じかもしれない。自分から声をかけてみるなど、行動量を増やすことで、居場所は増えていく。行動とは、“不本意だとしても、やっていて苦痛じゃないことをやる”ということだそう。さらには人に対しても、“友人ハードルをものすごく下げる”ことも大切だ。ネットでは“一度でもやり取りし合ったら友人”ぐらいの気持ちでもいい。

ループを外れる局面を避けよう

 人はすぐに飽きる。「ハッピー」だと感じていてもすぐに「退屈」になってしまい、さらには「心配」が生じてくる。その先に「行動」を起こせれば、また「ハッピー」へのループに戻ることができるが、「行動」がある段階で膠着してしまうと、どこか人生が楽しめなくなり、ループから外れてしまう。社会の中で「行動」が意味を持つようにするためには、即興演劇で台本のない舞台に立つときのように、「自分が世の中に貢献できることを探す」ことが肝要だと渡辺さんは説く。

“すべての人は、違う人生を送っています。あらかじめ、他人の人生と同じような台本をつくって、それを実行しようとしてもうまくいきません”

 さあ、自分なりの居場所をつくろう。

文=えんどうこうた