明日はとびっきりいい日になるかも!? MOE創作絵本グランプリ受賞作、幸せをつかんだ『まめざらちゃん』に万歳!

文芸・カルチャー

2019/9/21

『まめざらちゃん』(あさのますみ:文、よしむらめぐ:絵/白泉社)

 実家の食器棚を覗くといつでもあって、食卓に登場するとちょっと嬉しくなるお皿。誰にでもそんなお皿があるかもしれません。もし、そんなお皿たちに命が吹き込まれたら…。

「MOE創作絵本グランプリ」となって反響を呼んだ『まめざらちゃん』(白泉社)は、声優としても活躍するあさのますみさんによる絵本。よしむらめぐさんが絵を手がけています。

 物語の舞台は、ダダさんのうちの台所。食器棚には、長生きの“おわんさま”や、すこしふくよかな“どんぶりぼうや”など、いろんなお皿が並んでいます。そこへ新入りとして入ってきたのが、小さな小さなお皿の“まめざらちゃん”です。

 お皿たちの楽しみは、自分に盛りつけられたごちそうを、こっそり味わうこと。まめざらちゃんにもついにそのときがやってきましたが…入れられたのは、お寿司につけるお醤油とわさびでした。しょっぱい、辛い! そのあとも、ピリ辛の焼肉ダレや、ケチャップなどの調味料ばかり。豆皿は“しょうゆざら”と言われるくらいですから…。

 なかなかおいしいごちそうをのせてもらえないことに悩んだまめざらちゃんは、古株のおわんさまに相談します。すると、「長い人生、何があるかわからない。もう少し待ってみなさい」とアドバイスをもらったのでした。

 そして、しばらくたったある日、あたらしい出来事が起きました。ダダさんのうちに、奥さんがやってきたのです。それが、まめざらちゃんが幸せになるきっかけになりました。

■まめざらちゃん、我慢して待っていてよかったね!

 まめざらちゃんは幸せになれるの? とドキドキしながら読んでいたので、奥さんが来てから、とても幸せな役割をもらったまめざらちゃんに、ホッと胸をなでおろし、心が洗われるようでした。「あきらめそうになったけど、我慢して待っていてよかったね!」と、まめざらちゃんの奮闘をたたえたい気分です。

 まめざらちゃんと同じように、長い人生、もしかしたら明日はとびっきりいい日になるかも!? そんな幸せ気分をおすそわけしてもらいました。

 各ページに登場する、おいしそうなイラストにも注目を。カリッと焼けた餃子、あったかホワイトシチュー、ほかほか卵ごはんにお味噌汁。立ちのぼる湯気から、今にもおいしそうな香りが飛び出しそう。心と体に染み込むようにあったかくておいしい、家庭の手づくり料理を思い出します。おなかのすいているときに本書を読むのは要注意!?

 ひとつひとつ気に入ったお皿を選んで、ていねいに作った料理を盛りつけて…。そんな秋の創作ゴコロと食欲を刺激してくれる本でもあります。今日だけは時短とダイエットをお休みして、ゆっくりと手づくり料理を味わってみようかな?

文=吉田有希