ささいなことを気にしてクヨクヨしてしまう。気にしすぎを生み出すワケ/『気にしすぎる自分がラクになる本』③

健康・美容

公開日:2019/9/26

④白か黒かを一気につけたがる

 仕事にしろ、プライベートにしろ、何らかのストレスを受けつづけていると、心が不安定な状態になり、忍耐力が弱くなります。すると、頭をもたげてくるのが、白か黒かを一気につけたがる「白黒思考」です。

 白黒をつけさえすれば、グレーゾーンに目を向けずにすむので、そのぶん、余計なエネルギーを使わなくてすみます。

 心の中がクヨクヨでいっぱいで、不安やうつに心を支配されている状態では、心のエネルギーレベルが低下しているので、とくにこの思考に傾きがちです。

 この思考につかまると、たとえば、クヨクヨ悩んでいると、「こんな調子だから、私は不幸から抜け出せないんだ」とか、「人生なんて結局、生きるに値しない」などと、何を考えても白か黒か、イエスかノーかの極端な考えに飛躍してしまいます。

 不幸と幸福の間に、そこそこの幸福というものがある、生きているだけでもそれなりの価値があるかもしれない、といったグレーゾーンには目がいかずに、すぐに物事を全否定し、考えるのをやめようとしてしまうわけです。

⑤他人が自分に対して否定的だと結論づける

「あの人は私をドジだと思っている」「気の利かない人間だと思っている」など、相手の心を読めるかのように思いこんで、他人が自分に対して否定的であると結論づけてしまう―。このような思考パターンが読みすぎによる「思い込み」です。

 他人の心を読もうとする思考のクセの裏には、「不意打ち」への恐れがあります。そこで、他人の心を読んで、相手の言動をあらかじめ予測しておけば、不意打ちは避けられ、その場で、動揺して弱みをみせることもない、といった意識が働くのです。

 このような身構え方をしているうちに、この勝手な思い込みが真実かのような錯覚に陥り、相手に対して根拠のない腹立たしさや憎しみを覚えたりします。しかも、自分でも気づかないうちに、「あの人は私をドジだと思っている」といった否定的な結論を、自分の本当の姿と思うようになります。怒りや憎悪、低い自己評価を心に抱えていれば、物事をプラスにみることはむずかしいはず。

 このほかにも、一度起きた悪い出来事を毎回起こる出来事だと思いこむ「一般化のしすぎ」、自分の悪いところを必要以上に大きくとらえ、自分のよいところを極端に過小評価する「過大解釈・過小評価」、自分や他人のイメージを勝手に決めつける「決めつけ・レッテル貼り」、他人に責任を押しつける「責任転嫁」などの思考パターンも、クヨクヨ思い悩む思考のクセにつながります。

 どうでしたか。小さなことにクヨクヨしてしまう方にとっては、いくぶん耳が痛い話もあったかもしれません。

 客観的な視点が少しでもあれば、気にしたり、落ちこむことがあっても、自分の中のプラスの資質や、物事の肯定的な面にも気づけますし、バランスのとれた結論も導き出せるのですが、クヨクヨ思考にとりつかれていると、これがどうしてもできないのです。

<第4回に続く>

長沼睦雄
十勝むつみのクリニック院長。北海道大学医学部卒業。HSC/HSP、発達障害、発達性トラウマ、愛着障害などの診断治療に専念し、脳と心と体と魂を統合的に診る医療を目指している