頭のいい子の親には、3つの特徴がある! 「否定しない」「与えすぎない」あと1つは…/頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て①

出産・子育て

2020/6/30

親が頑張りすぎないほうが、子どもは伸びる! 個別指導塾で、5000組を超える家庭と面談をしてきた著者が気づいた「本当に頭がいい子の育ち方」。それは、「与えられる」のではなく、「見守ってもらえる」環境だった!

『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』(小川大介/KADOKAWA)

はじめに
日本の親たちは、わが子をもっと信じていい

 子どもの幸せを願わない親はいません。

 自分の持つ能力を最大限に生かして、社会で活躍してほしい。健康で、思いやりのある人間に育ち、たくさんの友だちに囲まれて、豊かな人生を送ってもらいたい。

 どんな親も、子どもの未来が明るく、笑顔に満ちたものであってほしいと願います。

 ただ、子どもの幸せを想うあまり、子どもに「将来の幸せに直接つながりそうなもの」を与えすぎ、詰め込みすぎている親御さんが多いのもまた、事実です。その結果、時間にも心にも余裕がなくなり、親からも子どもからも、いつの間にか「笑顔」が消えてしまっています。

 子どもの幸せを願うための行動が、知らず知らずのうちに、親自身や子どもを苦しめているのです。

情報を追うあまり、「子ども」から目を離していませんか?

 私は2000年に中学受験を専門とする個別指導塾を設立し、長く代表を務めてきたのですが、学習の進め方について親御さんと面談をすると、次のような質問を非常によくいただきます。

「子どもには何をさせればいいのでしょうか?」
「子どもにはどんな教材を買ってあげればいいのでしょうか?」
「子どもにはどんな体験をさせてあげればいいのでしょうか?」

 わが子には幸せになってほしい。遠回りをさせたくない。自分が有益な情報を知らないことで子どもに損をさせたくない――。

 メディアに子育て情報があふれる昨今、わが子を思う親としての切実さが、このような質問になって表れているのでしょう。

 これらの質問に答えるべく、私はどんなお子さんなのかをもっと詳しく知るために、親御さんにこんな質問で返します。

「最近のお子さんの口ぐせは何ですか?」
「朝起きてから最初に、どんな行動をとっていますか?」
「どんな遊びに熱中していますか?」

 すると、親御さんの動きがピタッと止まります。

「口ぐせ……どんなことを言っていたかなぁ……」
「朝起きてから……私はそのとき、家のことをしているからなぁ……」
「遊び……いろいろやってるけど、どれが一番好きなのかなぁ……」

 子どもの相談に来ているのに、意外と子どものことを知らない自分に気づくのです。

 子どものためにこんなにも頑張っているのに、今、目の前にいる子どもの口ぐせや好みがわからない。決して、子どものことを考えていないわけではないのに……。

 そんなとき、私はこう声をかけます。

「大丈夫。これからはお子さんを温かく見守っていきましょう。何を与えてあげればいいかは、お子さんをしっかり観察していれば見えてきますから」

「好き」を見守ってもらえた子は、いざというとき踏ん張れる

 これまでに5000組を超えるご家庭と学習の進め方についての面談を重ねてきましたが、面談ではお子さんの「現在の様子」だけでなく、「これまでどのように育ってきたか」にまで話が及ぶことも少なくありません。

 たくさんのご家庭の話を伺って気づいたのは、いわゆる「教育によさそうなもの」をたくさん与えられ、手取り足取り面倒を見てもらってきたお子さんは中学受験直前の小6になって伸び悩んでしまうことが多い一方で、親に見守られて「虫とり」や「お絵かき」など好きなことにとことん熱中した経験のあるお子さんは、最後の最後で踏ん張りをきかせてぐんぐん成績を伸ばしていくという事実です。

 私は2017年から、俳優・タレントの養成を行うテアトルアカデミーさんとともに、「Kids Perform Challenge(キッズパフォームチャレンジ)」という子育てプロジェクトを開始したのですが、特別講座やセミナーを行うたびに、似たような状況を見聞きします。

 子役の世界では、親が「ああしなさい、こうしなさい」と熱心に指導するご家庭のお子さんは、幼いうちはオーディションに合格しやすい傾向にあります。

 けれども不思議なことに、9歳前後になると、ピタリと結果が出なくなってしまうのです。

 代わりにめきめきと頭角を現すのは、本人のペースで自由にさせてもらってきた子。最初は結果が出なくても、ある程度大きくなって自分を表現することが求められる年齢になると、がぜん能力を発揮し始めます。自分で考えて行動するくせがついているので、監督の「ちょっとこういうことやってみて」という要求にも、とっさに対応することができるのです。

 これらの経験から私が確信するのは、子どもの能力を伸ばすために重要なのは「9歳前後までの育ち方」であるということです。そこで本書では、幼児期から9歳前後までのお子さんを持つ親御さんに向け、子育てで心に留めておいていただきたいことをお話しします。

 この時期の子どもに必要なのは、特別な教育ではありません。ありのままの子どもを「認め」、「見守り」、「待つ」ことです。本書ではこのような子育てを総称して、「見守る子育て」と呼びます。

「見守る子育て」で、自ら学び、伸びる人間になる

 子どもが持てる力を発揮して幸せな人生を歩むためのカギは、この「見守る子育て」の中にあります。

 親が「子どもの将来の幸せに直接つながりそうなもの」を過剰に与え、詰め込むのではなく、子ども自身が見つけた「好き」を認めて、見守るのです。

 自らの好奇心を親に認められ、見守られて育った子は、「自分が興味を持ったことはいっぱい勉強していいんだ」と考えるようになるからです。

 すると、学校の勉強だけではなく、人生全般において前向きで意欲的になります。自分で人生を選び取り、自らの足で立っているという自信がありますから、たとえ躓くことがあったとしても、その経験を糧にして次にまた頑張っていく力が育ちます。

 私自身、2006年に子どもを授かり、父親として子どもと一緒に育つ中で、「親は子どものことをもっと信じていい」という、かねてから抱いていた信念はやはり間違っていなかったと実感しています。子どもの「好き」を見守っていれば、子どもは自ら学び成長します。

 実際、中学受験に子どもが楽しみながら取り組めているご家庭の親御さんの中に、子どもを追いたてて勉強させているような方はほとんどいません。

 それは、その子たちが「できる子」だからではありません。「与える子育て」を「見守る子育て」に変えるだけで、どんな子どもも、自ら学び、自ら成長する子に変わるのです。

「否定しない」「与えすぎない」「あせらない」

 頭のいい子の親には、「子どもを否定しない」「子どもに与えすぎない」「子どものことであせらない」という3つの特徴があります。親がそういう態度だと、子どもは安心して、自分が興味を持ったことにどんどん取り組むようになります。すると、日々の体験を通して「なんでだろう?」と疑問を持ち、「こういうことかな?」と自分なりに考え、「調べてみよう」と行動するようになっていきます。この積み重ねが「頭のいい子」を作っていくのです。

 この本では、どうしたら「否定しない」「与えすぎない」「あせらない」子育てができるようになるのか、その考え方のコツを紹介しています。

 本書を読んで「今まで自分はこういう子育てができていなかった。ダメな親だ」と反省する方もいらっしゃるかもしれません。でも、反省する必要なんてないのです。これから実践すればいいだけなのですから。この本を開いて、子どものために新しい知識を得ようとしている時点で、すでに十分素晴らしい親御さんです。

 また、すべてを実践しようと気負う必要もありません。

 何かひとつでも気づきがあり、取り入れられればそれで十分なのです。そして、もしもすぐにうまくいかなくても、少しずつ実践していけば大丈夫です。

 本書がそれぞれのご家庭で親子の関わりを見つめ直し、子どもと笑顔で過ごす時間が増えるきっかけになるのなら、これに勝る喜びはありません。

小川 大介

<第2回に続く>

この記事で紹介した書籍ほか

頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て

著:
出版社:
KADOKAWA
発売日:
ISBN:
9784046040596