お腹を温めるだけで冷え知らずに。毎日、腹巻をして腸を温めよう!/病気にならない体をつくる こども免疫教室⑥

健康・美容

公開日:2021/11/21

おなかを温めるだけで冷え知らずに!

 東洋医学では、おなかは「お中=体の中心」と考えられています。実際、おなかは胃、腸、肝臓などの内臓が集まっている大切な場所です。おなかが冷えると内臓も弱って元気に動くことができなくなりますが、おなかを温めると内臓の血流がよくなって元気になります。

 おすすめしたいのが「寝るときの腹巻き」です。冷えやすい人は1日中、暑がりの人も寝ている間は腹巻きをしましょう。これは冬だけでなく夏もです。

 その理由は、寝ている間、特に深夜は体温が下がるからです。もともとの体温が高ければ少しくらい体温が下がっても問題ないのですが、冷えているとそれ以上、体温が低下するのを防ぐため、目が覚めてしまいます。冷えているとしっかり眠ることができず、疲れやすくなって、免疫細胞の元気もなくなります。

 最近は夏にエアコンを利用するケースが多いので、寝るときの腹巻きは1年中習慣にすることをおすすめします。

 おなかをこわしやすい、カゼを引きやすい場合は、365日、24時間、腹巻きをして体の中心から温めましょう。

腸の調子がよくないと免疫の低下に直結!

病気にならない体をつくる こども免疫教室

病気にならない体をつくる こども免疫教室

腹巻きには免疫アップ効果もあるのよ。なぜなら、免疫細胞の7〜8割が腸にすんでいるから。おなかを温めると腸の血流がよくなって、免疫細胞がよく働くようになるの。

病気にならない体をつくる こども免疫教室

腹巻きってカッコ悪いと思ったけど、本当はカッコイイんだね。免疫細胞かぁ。腸でどんなふうに暮らしてるのかなぁ?

腸の状態が免疫に影響している!

 私たちの体内には約2兆個の免疫細胞がすんでいるのですが、そのうちの7〜8割が腸に集中しています。その理由は、腸には食べ物といっしょに細菌やウイルスなどが入り込むため、といわれています。病原菌という悪者から体を守るため、たくさんの免疫細胞が腸に配備されているのでしょう。

 腸は広げるとバドミントンコートの半分(約30平方メートル)に相当する、とても大きな臓器です。ここには病原菌が入ってくると反応する免疫細胞がたくさんすんでいて、体に悪い作用をする病原菌が来ると、悪者をやっつけようと働き出します。

 腸がすごいのは、害があるものとないものを見分ける「パイエル板」という組織がある点です。パイエル板が得た情報で免疫細胞は働き、有害なものだけを攻撃して私たちの体を守ってくれています。

 また、腸の中には、「善玉菌」とよばれるよい働きをするものと、「悪玉菌」とよばれる毒素などを出してダメージを与えるもの、善玉菌と悪玉菌のうち強いほうに味方する「日和見菌」がすんでいます。実は、これらの割合が腸内環境の善し悪しを決めています。

 野菜不足だったり肉ばかり好んで食べたりしていると腸内細菌のバランスが悪くなります。悪玉菌が増えて免疫が低下するのです。ちなみに、腸内細菌の理想的な割合は、善玉菌2、悪玉菌1、日和見菌7です。

病気にならない体をつくる こども免疫教室

ちょっと詳しい話
本能に目を向けて自分の好きなものを食べよう!

 いまの日本では「好き嫌いなく、なんでも食べる」ことがよいこととされています。嫌いなものを残して、しかられたことがあるのではないでしょうか。

 これは大きな勘違いです。よく考えてみてください。本能で生きる動物に「嫌いなものを無理して食べ、好きなものをがまんする」という考え方はありません。

 子どももそれと同じで、本能で自分に必要なものを選んで食べています。たとえば、ほうれん草やピーマンが嫌いで食べないのは、おそらく冷えていて体を冷やす食べ物を食べたくないからでしょう。本能で避けているのですから、無理に食べる必要はありません。

 実は、一流のプロフェッショナルには偏食の人が多いのです。プロ野球のイチロー選手は野菜が嫌いでほとんど食べなかったそうですし、体操の内村航平選手もやはり野菜が大嫌いでチョコレートばかり食べていたそうです。

 これは不思議なことではありません。本能が欲すること(好きなこと、やって気分がいいこと)は、病気を防ぎ、健康を保つためにもっとも大切なことです。パフォーマンスも高めてくれるでしょう。本来なら、自分に必要な食べ物や量を本能で知っているのですから、食べたいときに食べたい量を食べるのが自然なのです。

 ただし、スナック菓子などばかり食べて食事が食べられないというのは論外。お菓子ではなく、きちんとした食事を食べましょう。

<第7回に続く>

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