シナモロールと考える「かなしい」気持ちとの付き合い方。ライターの3歳娘の“優しい行動”に心温まる『いろんなきもち かなしいってなあに?』【書評】

出産・子育て

PR 更新日:2026/5/21

いろんなきもちかなしいってなあに?
いろんなきもちかなしいってなあに?(浜名真以:監修、古藤ゆず:文/Gakken)

 気持ちを言葉にするのは難しい。まして、子どもならなおさらだ。悲しい時に涙が止まらなくなったり、気持ちをうまく表せず、思わずお友だちを叩いてしまったり。自分の感情とどう向き合えばよいのか分からずにいる我が子の姿を見て、「気持ちを言葉にする力を身につけてほしい」と願うお母さん、お父さんも多いのではないだろうか。

 そんな親子におすすめしたいのが、『いろんなきもち かなしいってなあに?』(浜名真以:監修、古藤ゆず:文/Gakken)。幼児期から身につけておきたい大切な知識を、サンリオキャラクターズと一緒に学べる絵本シリーズ「おしえて! サンリオキャラクターズ」の1冊だ。

 同シリーズは、Instagramなどで大きな反響を呼んでいる『あなたのからだをだいじにするほん』をはじめ、大切だけれど家庭でどう伝えればよいのか迷いやすいテーマを、子どもにも分かりやすく教えてくれる。本書のテーマである「かなしい」という感情も、まさにそのひとつ。「かなしい」とはどんな気持ちなのか、その気持ちとどう向き合えばよいのか。親として伝えたいことはあっても、それを幼い子どもに分かるように伝えるのは難しい。そんな時、本書は親子で一緒に気持ちを見つめ、それを少しずつ言葉にしていくための、あたたかなきっかけをくれる。親子で楽しめる、心を育てる入門書としてもぴったりの1冊だ。

シナモロールと一緒に、「かなしい」を考える

© 2026 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. L670940

 本書の主人公は、白いこいぬの男の子・シナモロール。シナモロールの表紙を見ただけで、サンリオ好きの3歳の我が娘は「早く読んで読んで!」と大興奮。集中して読み聞かせを聞いてくれた。

 シナモロールは、だいすきなスカーフをつけておでかけ。ところが、突然強い風が吹いて、たいせつなスカーフをなくしてしまう。

© 2026 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. L670940

親子の会話が広がる「しつもん」と「レッスン」

「どうして シナモンは めを うるうるさせて、 しょんぼりして いるのかな」

 本書にならって聞いてみると、娘は「だいじなのがなくなって、かなしいから」と答える。――本書ではこのように、子どもに「しつもん」をしたり、親子の対話をうながしたりするページがある。「おはなし」「しつもん」「レッスン」の3つの構成で「かなしいって、どんな きもち?」を考えることができるのだ。

「レッスン」では、かなしい気持ちを抱えたシナモンと一緒に、その気持ちとどう向き合えばよいのかを学ぶことができる。紹介される方法は、親として子どもに伝えたいと感じるものはもちろん、「そんな感情の受け止め方もあるのか」と大人が読んでも気づきのあるものも。ネガティブな気持ちにずっととらわれなくてよいこと、安心できる誰かと一緒にいるだけで、気持ちが少し軽くなることを、優しく教えてくれる。

「ぽかぽかことば」が教えてくれる前向きな気持ちと、優しい心

© 2026 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. L670940

 特に私が親として気に入ったのは、「『ぽかぽかことば』でこころをあかるくしよう!」というページ。「ぽかぽかことば」とは、口にすると気持ちが明るく前向きになる言葉のこと。悲しい出来事をポジティブに変換してみようというレッスンだ。たとえば、「外で遊ぼう」と思っていたのに、雨が降ってきちゃった時には、「おうちの なかで たのしめる ことを さがして みよう」と考えてみる。そんな明るい言葉への変換は、きっと子どもを強くしてくれるはずだ。

 そして、そんな「ぽかぽかことば」で、シナモンを元気づけるレッスンもある。

「シナモンが カフェの おしごとちゅう。 うっかり かびんを たおしちゃったよ。
しっぱいして おちこんで いる シナモンに どんな ことばを かけて あげる?」

 娘に聞いてみると、「タオルでゴシゴシしてあげる」と、絵本のページの上で拭くまねをした。言葉をかけるわけではないけれど、その姿に、つい親としてうれしくなるような優しさの育ちを感じる。「優しいね。『手伝ってあげるよ』ってことばをかけてあげるのもいいかもしれないね。あとは『だいじょうぶだよ』とか、『だれでもしっぱいすることあるよね』とか言ってあげると、シナモンも少し元気が出るかもね」。そんなふうに、どんな声がけができるかを親が補ってあげれば、子どもにとってもきっと学びになるはずだ。

親子で、「かなしい」に向き合う時間をくれる1冊

© 2026 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. L670940

 ストーリーを追うだけでも楽しいが、親子であれこれ話したり、レッスンに取り組んだりできるからこそ、この本は心に残る。物語を楽しみながら言葉を交わすうちに、「かなしい」気持ちを言葉にする練習ができるだけでなく、悲しんでいる誰かを思いやる心も育っていく。「心」がテーマの絵本は、この「かなしい」のほかに、「うれしい」「おこる」「こわい」に焦点を当てた全4巻が発売中とのこと。親子で自分の気持ちにそっと向き合う時間を、このシリーズと一緒に、あなたのご家庭でもはじめてみませんか。

文=アサトーミナミ

© 2026 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. L670940  

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