失恋や不倫・死別をバネに! 大人女子の心に沁みる漫画まとめ

マンガ

更新日:2018/9/10

 恋愛や結婚は、楽しいことばかりではない。幸せな日々を築きあげていても、パートナーの言動によって、平穏な日常が突然消え去ってしまったり、心が打ちのめされてしまったりすることもある。こうした経験は心に暗い影を落とすが、さまざまな別れを乗り越えてこそ見えてくることだってある。そこで本稿では失恋や不倫、死別を乗り越える作品を5つご紹介したい。

■残ったのは家族だけでした…優柔不断なアラサー女子が繰り広げる家族物語

 信じていた最愛のパートナーに裏切られてしまうと、心身ともにボロボロの状態になってしまう。そんなときにこそ手に取ってみてほしいのが、女だけの家族物語を明るく描いた『おんなのいえ』(鳥飼 茜/講談社)だ。

 主人公の大前有香は、29歳という結婚適齢期のときに同棲していた恋人に振られてしまった。失恋の傷を抱えた有香は破局後、25歳の妹・すみ香と、母親のいる地元・大阪に帰省するが、“母親命令”によって妹と東京で同居をするはめになってしまった。本作で描かれている、周囲に流されるままに生きる優柔不断な主人公に自らの姿を重ね合わせる同世代女性は意外に多いはずだ。女だけが暮らす家で有香は一体、どんな女性になっていくのだろうか。

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■バツイチ・DV・離婚で辛い…結婚生活への本音がつまった大人向けコミック

 結婚って、もっと楽しいものだと思っていた。日々の暮らしの中で漠然とそう感じた既婚者は『×一物語』(こやまゆかり/講談社)を読みながら、自分の結婚生活を振り返ってみよう。本作の登場人物はそれぞれが問題を抱えているので、感情移入できるキャラクターも見つけやすいだろう。

 バツイチの女性や、夫からDVを受ける専業主婦、妻から一方的に離婚を突きつけられた夫といった登場人物たちの言動には女性と男性の本音がぎっしりと詰まっており、リアルな結婚生活の姿が浮き彫りになっている。結婚はゴールではなく、2人の物語を始めていくためのスタートだ。さまざまな結婚の形を知れる本作は、円満な家庭を築くためのヒントも与えてくれるだろう。

■「私は女としての大切な何かを失ったのではないだろうか――」夫の浮気をバネにモデルへ


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    『バラ色の聖戦 The Future is in our Hands!』(こやまゆかり/講談社)
    商品はこちら

 主婦業を毎日頑張っている既婚女性の中には、言葉にできない心のモヤモヤを抱えている方もいるはずだ。そんな既婚女性たちに夢と希望を与えてくれるのが『バラ色の聖戦 The Future is in our Hands!』(こやまゆかり/講談社)である。

 主人公の真琴は専業主婦をこなしながらも心のどこかで「私は女としての大切な何かを失ったのではないだろうか――」と自問自答していた。しかし、夫・敦司の浮気が発覚し、真琴はひょんなことから夫と浮気相手の結婚式で仲人をするはめに。式当日、真琴は背筋を伸ばして入場することで妻としての最後のプライドを見せつけ、オーラで周囲を圧倒。そしてモデルへの道を歩み始めるのだ。夢に向かう真琴のまっすぐな強さは、読者の涙を誘うだろう。

■あんなに幸せだったのに…結婚適齢期の婚約破棄で思わぬ人生に

 結婚適齢期は恋人がいても、悩みはつきないものだ。『指輪(リング)の約束』(こやまゆかり/講談社)には一筋縄ではいかない恋愛の難しさが巧みに描かれている。主人公となるミチと浩太郎は交際2年で結婚が決まり、幸せいっぱいの日々を送っていた。しかし、ほんのちょっとしたすれ違いがきっかけで、2人の結婚はキャンセルとなり、運命もすれ違っていく。

 結婚適齢期だからこそ揺れるミチの女心は、苦しくなるくらい等身大であり、同じく結婚適齢期な女性たちの共感を呼ぶ。果たして2人が悩み抜いて出した結論は、お互いの将来にどんな影響を与えていくのだろうか。読みごたえもばっちりな全4巻の本作は、結婚で悩んだときにも手に取ってみてほしい。

■母親らしいより、自分らしいママでいよう

 シングルマザーを題材にした『姫ママ!』(那波マオ/講談社)は、自分を愛すことの大切さを教えてくれる。主人公の愛瀬レオナは、17歳で一人娘の心亜を出産。夫の千尋と共に幸せな日々を送っていたが、千尋の死を機に、子育て資金を貯めるため、単身で東京に出てナンバー1キャバ嬢になった。そんなレオナは心亜の小学校入学を機に、故郷である宮崎へ帰ることに。

 盛り髪にド派手な姫スタイルのレオナに世間は厳しい目を向けるが、彼女は自分を貫き続ける。母親になると、何かを諦めてしまう人も多い。だが、子どもを愛しながら自分らしい人生を送っていってもいいのだ。そう教えてくれるレオナは一体、どんな生き様を見せてくれるのだろうか。

 大切な人との別れは辛いものだが、痛みを乗り越えることで得られる出会いや見える景色がある。別れは人に傷も与えるが、強さも与えてくれるのだ。なお、今回ご紹介した作品は9月6日(木)まで実施されている、楽天Kobo内の「講談社夏☆電書」にて最大3巻が無料になる。無料期間は8月11日(土)までだが、フェアページには他にも心に染みる書籍がたくさん取り揃えられているので、ぜひ明日への活力を手に入れてほしい。

文=古川諭香

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