2026年6月に話題になった本は?「人が死ぬのに痛快で愉快」個性的な殺し屋が出てくる一冊とは
公開日:2026/9/3
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2026年9月号からの転載です。


総合1位は文芸誌『GOAT』の「Summer 2026」号だが、これには説明が必要だろう。通常、書籍と雑誌は別のコードで流通していて、ランキングは書籍のみで集計する。しかし『GOAT』は雑誌(magazine)と書籍(book)の両方の性格をもつムックとして流通。ちなみに前号「Winter 2026」は2025年12月の総合ランキングで14位だった。2位、3位は辻村深月の社会派ミステリー『ファイア・ドーム』。25年前の誘拐殺人事件と現代の事件。人びとの無責任な「噂」が怖い。『GOAT』でも同作が特集されている。
5位に凪良ゆう『多類婚姻譚』。恋愛と結婚をめぐる短編連作。凪良ゆうは『汝、星のごとく』も文庫ランキングの8位に。そのほか、朝井リョウ『イン・ザ・メガチャーチ』、若林正恭『青空』、川代紗生『月がきれいな夜に、誰かに思い出してほしかった』、池井戸潤『ブティック』と、6月は文芸書がよく健闘した。19位の背筋『口に関するアンケート』は24年9月刊行の小さな本。清水崇監督による映画は7月封切り。
コミックの注目は『ONE PIECE CHOPPER's』(1)だろう。4月刊行で4月3位、5月7位、そして6月はふたたび3位と売れ続けている。順位争いの激しいコミックランキングでは、まれなこと。文庫では1位に伊坂幸太郎の「殺し屋」シリーズ、『777 トリプルセブン』。2位に東野圭吾、「ラプラスの魔女」シリーズの『魔女と過ごした七日間』、4位に宮島未奈の「成瀬あかり」シリーズ『成瀬は信じた道をいく』と、シリーズものが並んだ。強烈なキャラクターがファンを惹きつける。
文:永江 朗
今月読んで面白かったおすすめ本
一般
★1位『ファイア・ドーム』(上・下)


○間違いなく傑作でした。人は興味のある問題や事件に対してSNSなどで話をし、噂は全世界に広がる。それがとても恐ろしいなと思いました。上下巻合わせて900ページ弱という長い作品でしたがあっという間に読んでしまいました。(45・女)
★2位『多類婚姻譚』
★3位『#台所のあるところ』
文庫
★1位『777 トリプルセブン』

○大好き「殺し屋」シリーズ! 個性的な殺し屋たち(ネーミングセンスめっちゃいい!)のハラハラドキドキなバトル。誰が味方で誰が敵なのか? まあまあ人が死ぬという展開なのに悲壮感はなく良い意味で痛快だし愉快。なんでこんなにもおもしろいのだろう。(40・女)
★2位『リカバリー・カバヒコ』
★3位『倫敦スコーンの謎』
コミック
★1位『黄泉のツガイ』(1~13巻)

○ツガイを駆使した緊迫感のある頭脳戦と、予測不能なスピード感溢れる物語に引き込まれる。(47・男)
○ユルの兄萌えがたまらない。ガブちゃんのエドみがたまらない。先に進むほど引き込まれてゆく荒川ワールド。
★2位『あかね噺』(1~23巻)
★3位『税金で買った本』(19)
