鮭のバターホイル焼き、思い出の詰まったハンバーグ……。Fateスピンオフ、衛宮士郎の料理コミックが話題!

食・料理

2017/1/26

『衛宮さんちの今日のごはん』(TAa:著、只野まこと:料理監修、TYPE-MOON:原著/KADOKAWA)

 2015年よりサービスの開始された人気スマホゲーム「Fate/Grand Order」。その原点というべき作品「Fate/stay night」は2004年に発売され、13年が経とうとしている今でも、3度のアニメ化(今年も最新劇場版も予定)など、数多くのファンを抱える人気作品である。物語は駆け出しの魔術師・衛宮士郎と地方都市・冬木を舞台にサーヴァント・セイバーとともに聖杯戦争を戦い抜く伝奇バトルストーリーだ。

 そんな士郎の作る日常の食事を中心に切り取った『衛宮さんちの今日のごはん』(TAa:著、只野まこと:料理監修、TYPE-MOON:原著/KADOKAWA)が、可愛くて癒されると話題になっている。元々はKADOKAWAが運営する無料Webコミックサイト『ヤングエースUP』で連載されているWebコミックだが、2017年1月26日には単行本第1巻も発売された。

 そこで、セイバーを中心とするサーヴァントたちや、「Fate」の舞台となっている冬木市の住人たちが愛してやまない衛宮士郎のごはんを実際に作って食べてみた。

■第2話「鮭ときのこのバターホイル焼き」


 1つめは、漫画内では魚屋で働いているランサーのオススメ食材、鮭を活用した「鮭ときのこのバターホイル焼き」。スライスした人参と玉ねぎをアルミホイルに敷き、その上に下処理を済ませた鮭を乗せる。さらにしめじ、コンソメ、塩コショウ、バターを乗せ、ホイルでしっかりと包んでフライパンで蒸し焼きにしてパセリを乗せれば完成。

 アルミホイルを開いた瞬間にふわっと香るバターの香りが食欲をそそる。野菜のうまみとバター、鮭の味が見事に調和し、旨みがアップしている。わさび、醤油、マヨネーズを混ぜたものをつけても美味しい。ケルトの大英雄も納得の味。

■第6話「はじめてのハンバーグ」


 2つめは、幼い士郎がはじめてのハンバーグ作りにチャレンジする第6話の、「はじめてのハンバーグ」。ボウルに合いびき肉を入れてよく練り混ぜ、パン粉、卵、ナツメグ、コショウ、生の玉ねぎ、炒めた玉ねぎを加えてしっかりと混ぜる。あとは手の平に打ち付けながら形成して30分ほど冷蔵庫で寝かせ、フライパンで焼く。ソースは、肉を焼いたフライパンにウスターソース、ケチャップ、粒マスタード、酒、バター、コショウを入れて少し煮詰めたものをかける。付け合わせは、いんげん、プチトマト、粉ふき芋。

 ナツメグを入れ、丁寧に仕上げることで風味がアップしたハンバーグと、粒マスタードとバターの効いたソースは絶品。士郎の養父である衛宮切嗣、姉的存在である藤村大河とともに食べた思い出のこのハンバーグは、衛宮家の定番メニューのようだ。

■第7話「さらりと頂く冷やし茶漬け」


 最後は、プールで泳ぎ疲れて食欲のない遠坂凛のためにと作った昼食「さらりと頂く冷やし茶漬け」。焼いた鮭をほぐしたもの、きゅうり、みょうがや生姜、塩昆布、ごま味噌などさっぱりめの具材を冷ましたご飯に乗せ、昆布と鰹節でとった出汁に塩、醤油、みりんを加えて冷やしたものをかければ出来上がり。

 シンプルながら旨みがぎゅっと詰まっただし汁に、みょうが、生姜の爽やかさが加わり、さらさらと食べやすい。士郎の優しさを感じる一品。好みの具材を選んで乗せるという楽しさがあるのも嬉しい。

 士郎の作るどの料理も、食べる人への愛情や優しさが溢れていて、読んでいると温かい気持ちになる。ちょっとした手間や工夫がいたるところに散りばめられているので、漫画としてはもちろん、料理本としてもちゃんと役立つ。また、「Fate」本編はシリアスや戦闘の多い構成だが、この『衛宮さんちの今日のごはん』はキャラクターたちの素の部分をたくさん感じることができて、そこもファンとしては非常に嬉しい。本作品の連載は、まだまだ続いている。今後も、どんな料理が登場するのか楽しみだ。

文=月乃雫