アメブロでランキング上位の育児エッセイ!おそろしくも愉快な「反抗期男子」の日常コメディー!!

出産・子育て

2017/2/13

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    『ナイフみたいにとがってら 反抗期男子観察日記』(月野まる/KADOKAWA)

 反抗期の高校生男子……、めちゃくちゃ可愛くないか? 大人びた口をききながらも、まだ「子供」の部分があって、その「大人でも子供ない」中途半端な感じが……まさに「成長途中」という、クールなのに青臭い感じとか……、とにかく可愛いかった。

 『ナイフみたいにとがってら 反抗期男子観察日記』(月野まる/KADOKAWA)は、反抗期真っ只中のキレッキレ長男(高校1年生)と、素直でお調子者、時々「したたか」な次男(中学2年生)、二人の日常を、実母が描いたコミックエッセイである。

 「長男」は、「キレる」タイプの反抗期。親には「うぜぇ」「こっち見んな」。「部屋を片付けなさい」と注意しても、もちろん言うことは聞かない。授業参観は「ぜってぇくんなよ!」。小学校5年生くらいから反抗期が始まり、「どんどん顔つきが変わっていった」とか。

 「次男」は、素直で従順。母の買い物に付いて来ることもあれば、一緒に寝ることもある(最近は寝てくれなくなったそうだ)。反抗期とは無縁の、癒し的存在。

 この「長男」。実際育てていればもちろん苦労は多いと思う。腹が立つこともあるだろうし、「いつまでキレるの?」と心配になるだろうが、一読者として見ていると、めちゃくちゃ可愛い。

 普段は生意気な口ばかりだが、実は病院が苦手。眼科でメガネを作る検査でさえもドキドキ。高校受験の時は、公表される公立高校の「倍率」に一喜一憂。「倍率が1.08倍……。108人受けたら8人落ちる……。オレ、その8人の中に入ってる気がする……」と、いつもの強気な態度はどこへやら。合格発表までは眠れぬ夜を過ごしたとか(無事に合格したそうだ)。

 いつもはキレッキレでクールな長男が、繊細で弱っているところを見ると、(本人には申し訳ないが)可愛い……! と思ってしまう。

 反抗期ではない「次男」は、自分が学校から帰って来た時、仕事で母親が家にいないことが分かると、「いないの……?」「えーー……」とまるで犬のようにしょんぼりする。母親と一緒に寝ることを長男に「中学生になってもお母さんいないと寝れねーのかよ」とつっこまれると、「ひとりで寝れるけどさ、つまんないじゃん」「話したりとかさ……」と照れながら主張。著者も「天使か!」と思ってしまうほど。

 素直で可愛い次男だが、長男のちょっかいに対して、わざと大袈裟に痛がったりと、“確信犯”で「したたかな」ところもある(末っ子らしい頭の使い方だ……!)。

 こんな息子たちを育てている著者の描くコミックエッセイは、「共感」と「愛情」が詰まっている。「反抗期」をこんなに面白く描いてくれたことは、きっと、たくさんの子育てママを救っているはずだ。

 育児に経験がなくても「反抗期男子」の可愛さに気づけるし、ぜひとも2巻が読みたい。欲を言えばあまり登場しない「お父さん」のエピソードなんかも読みたいのだが……、それも続刊に期待しよう。

文=雨野裾