『おやすみ、ロジャー』を卒業したら、お次はこの絵本!

出産・子育て

公開日:2017/7/12

「子どもがなかなか寝てくれない」と、寝かしつけに不毛な時間を費やしているママたちが、藁にもすがる思いで手にとり、話題になった寝かしつけ絵本。「魔法のぐっすり絵本」「たった○○分で、寝かしつけ」などの謳い文句が記憶に新しい。効果のほどはひとそれぞれ、ストンと寝る子もいれば、それでも寝ない子だっている。読んで寝てくれたら万々歳、一件落着……かと思いきや、寝かしつけにはさらなる課題があるのだ。


■添い寝を卒業したいママ多数!

 寝かしつけ問題の次は「ひとりで眠れるようになること」。これがまた難関なのである。というのも、子どもは総じてこわがりで、ひとり暗い部屋で寝るなんて、とてつもなく恐ろしい。

 思い出してみよう! 子どもの頃こわかったもの。おばけ? 鬼? 虫? 暗いところ? 大きな音? カミナリ? 少なくとも、おばけや鬼の存在を信じ、暗いところや大きな音を恐怖と感じたことがあるだろう。暗いところは、おばけが出るんじゃないかと想像がふくらみ、“ガタン”と音がしただけで驚き、おもわず「うわぁ」と声をあげ泣いたことだってあるかもしれない。ひとりで眠れるようになるためには、まず、こわがりを克服しなくてはならない。

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■ものすごーくこわがりな主人公、オリオンが出会ったのは?

 オリオンにはこわいものがありすぎて毎日とてもたいへん。おばけ、クモ、カミナリ、女の子、高いところ、風船をわる音、そしてなかでも一番こわいのが「くらいところ」。こわがりを克服するために、試行錯誤するオリオン。ある夜、そんなオリオンのもとにへんてこりんな生き物「クラヤーミ」が現れ、夜の世界を冒険する。一番こわかった「くらいところ」が、楽しく、おもしろくなったオリオンは、クラヤーミのことも大好きになったのである。

 ファンタジーあふれるこの作品『オリオンとクラヤーミ』は、2015年イギリスの絵本賞を受賞。今年『サラダ記念日』刊行30周年を迎えたばかりの歌人・俵万智によって翻訳され、はるばる日本にやってきた。かわいいイラストに加え、遊び心あふれるタイポグラフィーがストーリーを盛り上げ、さらに、クラヤーミと握手ができる“しかけ”も楽しめる絵本なのだ。


■子どもの想像力でこわがりを克服!

 ファンタジーの世界だけではなく、現実でも、子どもの想像力は計り知れない。暗いところ→おばけが出そう→こわい。この想像力を生かして、暗いところが「楽しい!」「おもしろい!」「摩訶不思議!」と発想の転換ができれば、ひとりで眠れるようになるのかもしれない。