【現役東大生・松丸亮吾が教える】「最強のナゾトキ」で、来たるAI時代にも打ち勝つ方法とは

暮らし

2019/9/19

『この先100年を生き抜く 東大式 対AIナゾトキ』(松丸亮吾/KADOKAWA)

 昨今、生活のあらゆる分野でAI(人工知能)の活用が進んでいる。新たなAIの活用例をニュースで耳にすることも多くなり、さらには将来日本の労働人口のうち、約半数がAIに代替えされる可能性があるというネガティブな意見さえも出てきた。

 技術進歩に比例し、今後AIが浸透していく未来は避けられない。便利な社会への期待感はあるにせよ、一方で「すべてをAIに奪われてしまうのではないか…」と危機感を抱く方もいるだろう。

 そんななか、みなさんの不安を一掃する本が登場。『この先100年を生き抜く 東大式 対AIナゾトキ』(KADOKAWA)である。AI新時代と呼ばれるこれからを生き抜くための“地頭力”を鍛えるナゾトキ本だ。

【戦うのではなく、“AIとの共存の道”を考える】

 本書の著者である松丸さんは、クイズバラエティ番組『今夜はナゾトレ』をはじめ、数々のメディアで活躍する新進気鋭のナゾトキ作家。その甘いルックスと頭脳明晰なポテンシャルで人気を博している現役東大生だ。

 本書のテーマでもある「AIと人間の関係」について、松丸さんが導き出した結論は「AIと人間の共存」。将来、AIが人間を超えたとしても、真っ向から勝負はせず、AIをうまく利用しながら人間にしかできないことを模索すべきだという。

 AIは、計算やデータ処理など機械的作業が得意だ。逆に言うと、我々が疎く感じる単純作業をAIに任せてしまえば、その分人間は自由な時間が増えることになる。その時間を有効活用し、人間独自のオリジナルを生み出していくことがよりよい未来への近道。つまり、私たちが目指すべき、AIとのベストな付き合い方だというのだ。

【4 STEPのナゾトキで頭を鍛え、問題を解決する力を身につける】

 うまく利用さえすれば、AIは決して脅威ではないと松丸さんは言う。では、共存のためには何が必要なのか? 本書の大きなテーマでもあるこの答えは、ナゾトキを通して「問題を解決する力」を鍛えることにある。

 例えば、所属するサッカーチームがどう頑張っても勝てなかったり、会社で企画した新商品が売れず大赤字になりそうだったり…。学校生活や会社、日常生活の些細なシーンにおいても必ず「問題」は発生する。

 もちろん、こういった問題を解決する力はいつだって大切なもの。しかし、AIの台頭によって社会の在り方が大きく変化していく今後はなおさら、人間独自が持つ解決法が強く求められるようになってくるのだ。

 今回、松丸さんは「問題を解決する力」に対し、自身のフィールドであるナゾトキからのアプローチを試みた。AIが得意なこと・人間が得意なことを線引きした上で、導き出されたのは「発見」「発想」「表現」「忍耐」という4つの力。これらを4STEPのナゾトキとして棲み分け、順に鍛えていくことによって、「問題を解決する力」を手に入れることができるのだ。

 それでは、実際に出題されているナゾトキとともにその一部を紹介していこう。

〈STEP1.発見〉さまざまな可能性を考える力

 問題を解決するためには、まずは原因となりうる可能性を発見しなければならない。先入観をなくし、あらゆる視点を持って可能性を「発見」する力をつけるのが〈STEP1.発見〉のナゾトキだ。

 答えの考え方は以下の2通り。左側のカタカナの画数を数えるという考え方をすると「6」。左側カタカナを数字に変換し、そこから1を引くという考え方をすると「99」という答えが導き出される。このように「発見」のナゾトキでは答えが数通りある問題が出題され、あらゆる角度から考える多角的視点が求められる。

〈STEP2.発想〉目的に沿ったアイデアを生み出す力

 問題点の可能性を「発見」したら、それを解決するためのアイデアをひらめくことが必要。まずは、柔軟な「発想」を意識してこの問題を問いてみよう。

 答えは次の通り。「スマホをグラスの下に挟まなければならないから」。この奇妙なグラスは、会話の妨げとなるスマホを下に挟むことで自立されるように設計されていたのだ。

 〈STEP2.発想〉のすべてのナゾトキは、実際に起った発想の実話を元に問題が構成されている。これまでとは一味違ったナゾトキで、アイデアを生み出す「発想」の力を培おう。

〈STEP3.表現〉人にわかりやすく伝える力

 原因となる可能性を「発見」し、それを解消するためのアイデアを「発想」したら、当然それを実行に移さなければ意味がない。このとき、必要になるのが「表現」の力だ。何かをアピールするための発信力やチームのメンバーを賛同させるための説得力もこの力に含まれる。

 〈STEP3.表現〉のナゾトキの目玉は、松丸さん渾身! 2人で協力しなければ解けない、新タイプのナゾトキだ。A面とB面に分かれているこの問題は、相手に伝わる表現を考え、情報を共有しながら解いていく。この記事では、あえて答えを明記しないので、ぜひ本書を手に取り、友達や家族と一緒に新タイプのナゾトキを堪能していただきたい。

※実際の問題はお互いの担当面を見てはいけないルールとなっています。

〈STEP4.忍耐〉試行錯誤に耐える力

 問題を解決するためには一度の失敗でくじけず、「発見」、「発想」、「表現」のルーティーンを繰り返す「忍耐」の力が必要になる。4STEP最後の力は、簡単に諦めない「忍耐」の力だ。

 難しいと諦めたり、すぐに答えのページを見たりする人ほど忍耐の力が欠落していると松丸さんは言う。今、ドキッとした人はぜひ「忍耐」の力を鍛えてほしい。ちなみに、答えは以下の通り。 果物だけだと9つ作ることができるが、 この問題で同じ図形を使わずにできる言葉は「キウイ」のみ。試行錯誤を根気よく続けるための諦めない強い気持ち、それが〈STEP4.忍耐〉のナゾトキで鍛えられるのである。試行錯誤を根気よく続けるための諦めない強い気持ち、それが〈STEP4.忍耐〉のナゾトキで鍛えられるのである。

【マニアも唸る、超難問ナゾトキ! そして充実のコラムも見どころ】

 4STEPのナゾトキを解き終わっても安心してはいけない。本書のラスボス的存在、「難問ナゾトキ」が待ち構えている。難問ナゾトキは、4STEPで鍛えてきた対AIの地頭力を試すもの。筆者もチャレンジしてみたが、一筋縄ではいかない問題ばかりだった。ナゾトキマニアの方も心して挑戦するように!

 そのほか、本書は脳科学者の茂木健一郎さんとのスペシャル対談や松丸さんの素顔に迫るコラムも充実。特に、松丸さんの素顔を紐解いたコラム「松丸くんに密着取材!」では、普段は見せないチャーミングな表情が垣間見られる。松丸さんファンは必見の内容だ。

撮影:SUMESHI

撮影:SUMESHI

 本格的にAIが台頭してくる時代は、じつはそれほど遠くない。備えあれば憂いなしというように、今こそナゾトキで地頭力を鍛えるときが来たのではないだろうか。新しい時代が到来したとしてもAIを恐れる必要はない。むしろ、このナゾトキ本をコンプリートして「問題を解決する力」を得たみなさんには、明るい未来が待っているに違いない。

文=水野ひさ子

【松丸亮吾プロフィール】
東京大学に入学後、謎解き制作集団AnotherVisionの2代目代表として団体を急成長させ、イベント・放送・ゲーム・書籍・教育など、様々な分野で一大ブームを巻き起こしている“謎解き”の仕掛け人。AnotherVisionの著書『東大ナゾトレ』はシリーズ累計115万部(2019年7月時点)。現在ではクリエイターとしての個人活動も活発になり、その発想力を活かして謎解きのみならずドラマの脚本・トリック監修にも携わる。著書に『楽しみながら考える力がつく! 東大 松丸式 数字ナゾトキ』(ワニブックス)がある。