「トリックを見破るのは容易ではありません」ミステリー×ファンタジーの融合『魔法で人は殺せない』に読書家たちも絶賛!

文芸・カルチャー

2020/5/15

『魔法で人は殺せない』1巻(蒲生竜哉/幻冬舎)

 蒲生竜哉による新感覚ミステリー小説『魔法で人は殺せない』(幻冬舎)が、2020年2月3日(月)に発売された。ミステリーとファンタジーの融合した独特の世界観が話題を呼び、作品にハマる読者が続出しているようだ。

 本作は王立魔法院の捜査官・ダベンポートが難事件を解決していく、1話完結型の連作シリーズ。第1話では森に佇む広壮な邸宅で、伯爵夫人が爆殺される事件が発生。伯爵夫人は身体の内側から爆発したような凄惨な状態となっており、ダベンポートは事件が一体どのようなロジックで実行されたのか解き明かしていく──。

 物語の舞台は19世紀のイギリスを思わせる世界でありながら、“魔法”が存在するという設定だ。ただし『魔法で人は殺せない』というタイトル通り、作品世界において魔法は決して万能ではない。「魔法は物理学の法則を曲げられない」など厳格なルールがいくつも定められており、論理的に理解できるものとして描かれている。

 魔法が存在する世界で繰り広げられるミステリーとしては、古くはランドル・ギャレットによる『魔術師が多すぎる』も名作として名高い。最近では『氷菓』の作者・米澤穂信も『折れた竜骨』にて同ジャンルに挑戦し、様々なミステリー作品のランキングで上位を総なめにするほどの注目を集めていた。

 ミステリーとファンタジーの要素を両立させるのは並大抵の試みではなく、作家の実力が大いに試されることは間違いない。しかし同作ではいくつもの要素を“謎解き”として洗練させることに成功し、読書家の間でも好評を呼んでいるようだ。書評サイト「読書メーター」では、以下のような感想が投稿されている。

魔法院のダベンポート、騎士団のグラム、メイドのリリィが織りなすマジカル☆ミステリー!魔法がトリックの要となる楽しいものでした。邸宅の一室で起こった爆殺事件、監獄のルーン文字、舞台から消えた少女、兎となった子ども、夜の街で歌う謎の猫、屋根裏部屋を訪れる梟─どれも不思議な内容で、トリックを見破るのは容易ではありません。魔法がある世界って、面白そうだけど、大変なこともあるのね~と思いました。続刊があるそうなので、期待してます。図書館の本棚に並べられる一冊となってほしいですね!(Cafe Rabbit House)

スチームパンクの世界で魔法は基本シジルと詠唱が必須、その他細かな条件や法則があって、それほど便利にバンバン使えるものじゃない…という感じに魔法概念がしっかりしてて良いです。ミステリとの絡みも良くて面白かったので続刊が楽しみ。(ルシュエス)

何やら面白そうな感じだったので購入。自分の勝手なイメージとして、ミステリーに魔法などを入れてしまうと、支離滅裂な感じになるイメージがあったが、あくまで魔法には厳密なルールがあるという大前提のもと進むので案外しっかりミステリーとして成り立っていた。普通におすすめできる作品。(焼き鮭)

 また作中には騎士団のグラムや遺体修復士の双子・カラドボルグ姉妹、キュートなメイド・リリィなど、世界観に即したキャラクターたちが多数登場。ミステリーとしての面白さだけでなく、多彩なキャラクターも人気を集める要因となっている。

 普段からキャラクター小説に親しんでいる読者にも好評のようで、SNSなどでは「久々に表紙買いしちゃったけど当たりでした。ダベンポートがあまりにも好みの人間すぎる」「今時の何かと異世界に転生してしまうラノベに飽きた方にオススメ」「『魔法で人は殺せない』を読みましたが、メイドのリリィがかわいらしかったです」といった声も上がっていた。

 この機会に単行本を開いて、ロジックとマジックが入り混じる奇想の世界に飛び込んでみてはいかがだろう?

この記事で紹介した書籍ほか