幸せを感じないのは太陽の浴び方が間違っているせい? 不調をリセットする生活習慣

暮らし

2018/4/19

『自律神経をリセットする 太陽の浴び方』(有田秀穂/山と溪谷社)

「よく眠れない」「疲れやすい」「ネガティブになりがち」。

 このような不調に悩む人は多い。どうせストレスのせいだから、と片付ける前に、今朝起きてから今まで、今日どのくらい日光を浴びたか思い出してほしい。ここで紹介する『自律神経をリセットする 太陽の浴び方』(有田秀穂/山と溪谷社)によると、現代人が抱える不調の多くは「太陽をあまり浴びない生活」に要因があるらしいのだ。

■幸せホルモン=セロトニンは、太陽を浴びて活性化される

 本書で解説されているのは、太陽を浴びることで脳内に分泌される「セロトニン」という物質。このセロトニンは、朝の心地よい目覚めをもたらし、心をポジティブにし、自律神経を整え、姿勢や顔の表情を引き締め、身体の痛みを調整する、といった健康的な生活に欠かせない働きをする。別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、セロトニンを増やす薬は、うつ病治療にも用いられているそうだ。

 こんないいことずくめのホルモンなら、ぜひとも脳内にたっぷり分泌しておきたいところだが、それには太陽光が必要不可欠。仕組みを簡単に説明すると、脳幹に数万個あるセロトニン神経が、目の網膜に入った太陽光の刺激をスイッチにして活性化されるのだという。

「電灯の光なら一日中浴びてるけど……」と思うかもしれないが、セロトニン神経の活性化には、2500~3000ルクス以上の照度が必要といわれているため、500ルクス程度の電灯光ではとても足りない。ちなみに太陽光の照度は1万ルクス以上ある。日に当たるのはせいぜい会社に行き帰りする屋外の数分、日中は電灯が煌々とついた会社に缶詰という、現代人にありがちな生活では、慢性的にセロトニンが不足しがちなのだ。

■睡眠導入効果のあるメラトニンを活性化させる秘訣は?

 さらに本書では、セロトニンとは逆に、太陽が沈むことで合成が開始される「メラトニン」という物質についても言及する。メラトニンは、副交感神経を優位にさせて睡眠を促す、いわば「自前の睡眠薬」。スムーズな入眠で、体や脳をしっかり休息させて、1日に消化したエネルギーを回復させる。つまり、セロトニンとメラトニンがきちんと切り替わる生活を送ることが、不調に負けない健康でポジティブな自分への近道。

「寝るときはさすがに暗くしてるよ!」という人も、実は要注意。PCやスマホ画面のブルーライトは、メラトニンの合成を妨げてしまうこともあるそうだ。たとえ日中にさんさんとした日光をたっぷり浴びても、寝る直前までスマホとにらめっこでは、メラトニン分泌が抑制されて不眠や疲れを招いてしまう。これには正直、筆者も耳が痛い。

 昼に太陽を浴びて、夜暗くなれば眠る。そんな当たり前で自然な生活が、現代社会では意外と難しい。そこで、本書に掲載されている生活改善のヒントを紹介したい。

・朝30分早く起きて、ウォーキング。または日差しのある室内でスクワット
・朝食をしっかり噛んで食べる。通勤途中のガムでもOK
・昼食は外へ出て日差しを浴び、気の合う人と心地よくおしゃべり
・PCやスマホは夕食後から就寝まで基本NG
・夜の照明は暖色系で、笠付きのスタンドなどで直接目に入らないようにする

 上記の中には「それってなんで良いの?」と感じるものもあると思うが、気になったらぜひ本書を手に取って解説に目を通してほしい。あなたが諦めかけていた日々の不調を改善するチャンスになるかもしれない。

文=吉田裕美