職場でイライラするのは、能力が高いせい!? イライラやモヤモヤをすっきりなくすには

ビジネス

更新日:2020/5/11

■相性の悪い相手との出会いも、「ありがたい」もの

 私たちが普段何気なく使っている「ありがとう」という感謝のフレーズ。これは「普通ではありえないことだ」「めったにないことだ」という仏教の思想、「有り難し」が元になった言葉だといいます。この「めったにない出会い」には、「相性の悪い相手との出会い」も含まれるのだと著者はいいます。

人間関係は鏡のようなもので、相手に向けた感情はよくも悪くも、ブーメランのように自分に返ってくるようにできています。ですから、相性の悪い人との仕事でも成功させたければ、その相手に感謝の思いを抱くことです。感謝の気持ちがあれば、言動や接し方も自然と変わっていきます。(本書37頁)

「人間関係は鏡のようなもの」とは、本当に頷けますね。でも嫌な人に対しても感謝の気持ちを持ち続けるということを実行に移すのは、最初は少し難しく感じるかもしれません。ですが、このことを頭の片隅に置いておくように心掛けるだけでも、結果や自分への心構えは徐々に違ってくるように思えます。

 上にご紹介したように、本書はあなたが仕事中に感じるイライラの原因をケース別にわかりやすく解説し、それをどうやって解消して前向きに仕事をしていくのかというテクニックや考え方をやさしく紹介しています。

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 また、テーマごとに分けられた各章のまとめには、

□ 仕事相手に面と向かってきちんと「ありがとう」と感謝の言葉を伝えている
□「相手より結果を出したい」「先に上に立ちたい」というギスギスした気持ちだけで仕事をしていない

などといった、わかりやすいチェックリストが収録されているので、職場にいるときの自分を振り返りながら、自分でも気づいていなかった心の動きをチェックできます。これを続けていくと、「少しずつイライラした感情の整理がうまくなってきたな」「あの日は優しさに欠けていたな」というふうに、自分の成長や課題が見えやすくなっていきます。

 本書は主に職場環境を想定したイライラ対策の内容ですが、人と人とが関わるという点で、人生すべてに通ずるところも多いように感じます。仕事に対する情熱や努力を絶やすことなく、おだやかな心で自分と周囲の人を幸せにしたい。そう願う人に強くおすすめしたい1冊です。

文=K(稲)