夕飯が簡単に! 魚屋さんを営む、栗原友さんの美味しい魚レシピ【つくってみた】

食・料理

公開日:2020/12/17

魚屋だから考えた。クリトモのかんたん魚レシピ

著:
出版社:
文藝春秋
発売日:
魚屋だから考えた。クリトモのかんたん魚レシピ
『魚屋だから考えた。クリトモのかんたん魚レシピ』(栗原友/文藝春秋)

 魚は好きでも、魚料理というと「さばけない」「面倒くさい」とマイナスのイメージが頭に浮かんでしまう人も多い。しかし実際は切り身を買う人の方が圧倒的に多いし、作ってみると案外簡単においしく作れるものだ。だが作り慣れていないと、「そもそもメニューが浮かばない」「いつも似たような調理法になってしまう」という新たな悩みが浮上する。

 そんな魚料理のさまざまな悩みを解決してくれそうなのが、『魚屋だから考えた。クリトモのかんたん魚レシピ』(栗原友/文藝春秋)。この本の著者である栗原友さんは、人気料理研究家である栗原はるみさんの娘。普段からプロの料理を口にしている彼女なら、きっとおいしいレシピを知っているに違いない。さらに、栗原友さんは築地場外市場で鮮魚店「クリトモ商店」を営んでいる魚のプロでもあるのだ。

 本書には日常的に魚に触れている栗原友さんだからこその、従来の“型”にとらわれない自由な、それでいて簡単で作りやすそうな魚料理がずらり。筆者も魚は大好きで比較的食べる方だが、思わずやってみたくなる、ワクワクしてしまうレシピばかりだ。そこで早速、掲載されているレシピの中から2品、実際に作ってみることにした。

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「ブロッコリー+サケ」(P.11)

魚屋だから考えた。クリトモのかんたん魚レシピ

 1つめは、見た目も色鮮やかで食欲をそそる「ブロッコリー+サケ」。くたくたになるまで茹でたブロッコリーを細かく刻み、オリーブオイル、パルミジャーノ・レッジャーノで和える。あとはグリルで焼いたサケをお皿に盛りつけて、作ったブロッコリーのソース、黒コショウをトッピングすれば完成。

 サケ自体はシンプルに焼いただけなのに、ブロッコリーで作ったソースをかけることで、ちょっとオシャレなレストランで食べるような味に大変身! ブロッコリーと一緒に食べるとサケの味の邪魔になるのでは…と一瞬不安がよぎったが、パルメザンチーズとオリーブオイルでブロッコリーの青臭さが緩和されていて、サケとのバランスがしっかり取れている。この組み合わせでないと生み出せない、素晴らしい一体感があった。ちなみに筆者はブロッコリーが苦手だが、そんな筆者でも素直においしいと思える、ブロッコリーがあまり得意でない人にもぜひ試してほしい組み合わせ。

「タラオムレツ」(P.42~P.43)

魚屋だから考えた。クリトモのかんたん魚レシピ

 続いて、フライパンのまま出してもオシャレに見える「タラオムレツ」。フライパンにオリーブオイルをひき、玉ねぎと下処理をして食べやすいサイズに切ったタラを焼く。じゃがいもは茹でて1口サイズに切っておく。いったんフライパンの中身を取り出して塩を加えた卵を焼き、ふわっと半熟状に固めたらタラと野菜を戻す。あとはねぎを散らして完成。

 タラのふわっとした身の食感、じゃがいものホクホク感、半熟に焼いた卵がそれぞれ別の食感を持ち、食べていて楽しさもある一品。こういった料理には普段ベーコンやソーセージなどを使うことが多いが、タラの淡泊で心地よい塩気と合わさるとこうも上品な味に仕上がるのか、と感動した。味つけは卵に加えた塩のみなので、黒コショウやマヨネーズ、ケチャップなどをお好みでかけて食べる。筆者は、黒コショウと醤油を少したらしてみた。ご飯ともパンとも合うし、じゃがいもが入っているのでこれだけで食べても満足できる。フライパンのまま出しても手抜き感がないのも嬉しい。

 どちらのメニューに使った魚も、大抵のスーパーで売られているごくごく一般的なもの。食べ慣れているいつもの魚も、魚のプロの手にかかれば簡単にオシャレな料理に早変わりするのだ。決して難しいことはしていない組み合わせの工夫に、魚料理の新たな可能性を感じた。

 この『魚屋だから考えた。クリトモのかんたん魚レシピ』(栗原友/文藝春秋)には、こうした従来の魚料理にとらわれないレシピのほか、切り身の選び方や魚のおいしい焼き方、刺身のアレンジ、貝や甲殻類を使ったレシピなど、海鮮をお手軽においしく楽しむための知識がぎゅっと詰まっている。コロナ禍でまだまだ行動が制限される今だからこそ、家での食事を充実させるチャンス! この機会に、魚料理のバリエーションを増やしてみては?

調理・文=月乃雫

この記事で紹介した書籍ほか

魚屋だから考えた。クリトモのかんたん魚レシピ

著:
出版社:
文藝春秋
発売日:
ISBN:
9784163913100