トム・ブラウン布川ひろきのエッセイ連載「おもしろおかしくとんかつ駅伝」/ 第24回「ケンカラジオ」

文芸・カルチャー

公開日:2026/2/28

ここ何年かでラジオの人気がすごいです。噂によると第四次ラジオブームとか言われているそうで、イベントをやると超満員になったりするイベントも珍しくないです。そのラジオの中でも最近流行っているのが

「ケンカラジオ」

と、言われてるラジオです。お笑い芸人がただただ本気のケンカをして、ただただ揉めてるような番組です。
有名な物で言うと、オリエンタルラジオのオールナイトニッポンでの生放送中のケンカと品川庄司さんのケンカです。聴かせてもらいましたが、一瞬何が起こったかわからないくらいのすごいものでした。

かくいう僕らもニッポン放送圧縮計画という番組をやっているのですが、ケンカラジオだと言われていまして、「トム・ブラウン」と検索すると4つ目とか5つ目に
「ケンカ」
と出てきたりもします。自分的には本当にケンカをしたくないのですが。

自分がするのは好きではないのですが、人のケンカラジオは好きです。
お笑いコンビ
「ジョックロックのミッドナイトフットボール」
「エルフのとりま集合ラジオ!」
最高でした。何回も聴きました。

しかし、最近ケンカラジオが増えすぎて、何かケンカラジオをしていることをちょっとだけステータスみたいな感じでやっている人がいるような気がします。わざわざケンカをしにいってるというか。放送したそうというか。
僕はそういうのはめちゃくちゃ冷めます。聴くのをやめてしまいそうになります。

わからない方が多いと思いますが、一時期お笑い界では地下芸人ブームみたいなものが軽くありました。

永野さんがブレイクした頃から言われ出して、メイプル超合金、三四郎、カミナリ、錦鯉、モグライダー、ランジャタイ、納言、ヒコロヒー、ヤーレンズなどが「地下出身」みたいな感じで言われたりします。

僕らもそこに入っているのですが、このメンバーに聞いてはいませんが恐らく全組地下芸人だったことを誇ってなんかないです。

だってそりゃそうですよ。みんな光を日本全土に輝かせて、テレビ・ラジオでお茶の間から脚光を浴びて、「ゴールデンタイムやお昼の番組の真ん中で出演したい」と思ってたはずなんですから。

それなのに、地下シェルターの中に気がついたら入っていて、そこから太陽が全く見えない日陰生活を送っていたのですから。

でも一時期

「俺は地下芸人だからさぁ!!」

と、言う芸人が増えていました。僕はそういう話をする時は

「俺は地下芸人だからさぁ。」

です。
わかりますでしょうか?
「!!」と「。」
これは大きな違いです。

前に永野さんが言ってましたが
「地下出身って恥ずかしいことだからね。」

本当にそうです。恥ずかしいのです。「ど真ん中で突っ走ってメインを張ってくんだ!」というのができなくて、メディアに出れなくてずっとつまずいてただけなのです。それを声高らかに、ステータスのように言うのは変です。

勘違いしないでほしいのですが、地下ライブのことを話すのは全然嫌じゃないです。地下ライブに出てたおかげでメディアに出れたとは思っています。
ただ「!!」の勢いでいくのは違うよということです。ステータスではないのです。

だいぶ話がそれてしまいましたが、今のケンカラジオブームにもなにかステータスとしてやってるのを感じるということです。

片方が落ち着いてて理路整然と話してたり、何かを考えながらやっているというか。本気でケンカしてそれを放送していることは恥ずかしいことなのに。

僕が好きなケンカラジオはどっちのボルテージも上がってるのもありますが、とにかく

「へ?」

というものです。

例えばジョックロックで言えば

ゆうじろー「新ネタライブだったのにあれ営業で1回やってるボケありましたやん。」

福本君「だったらネタ書いてみろ殺すぞ!!!」

ぶちギレるのが早すぎます。

エルフの場合

荒川「感謝祭ほんまに嬉しかった!」

はる「お、お、終わり?」

エルフ「、、、、、、」

何かが始まりそうな静寂すぎます。

どちらも脳ミソぶっ飛ばしてそうで良いです。

ケンカが増えてほしいとは思いませんがやるなら冷静にではなくフルスイングで顔面ぶん殴るような番組だけになるといいなと思います。用意してきたラジオのケンカほどつまらないものはないので。

では僕がここ最近のケンカで一番好きだったものを発表します。

店主「てめぇーこんなこともできねぇのか! 帰れ!」

バイト「うるせー! 殺すぞ! お前ワキ毛薄いんだよ!」

キレすぎて内容とは全く関係ないワキ毛の話をしてキレたケンカYouTube。

最高です。
皆さん探してみて下さい。

<第25回に続く>

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