トム・ブラウン布川ひろきのエッセイ連載「おもしろおかしくとんかつ駅伝」/ 第25回「スポーツ新聞定期購読」

文芸・カルチャー

公開日:2026/3/31

令和になりネット化がどんどん進んでいき紙媒体がかなり減っています。
コンビニの漫画や雑誌のコーナーも昔は10人くらいは横並びできるくらいありましたが、今は2人分くらいなもんです。

新聞のコーナーもかなり小さくなっています。この前見かけたコンビニでは新聞の販売を止めたので新聞入れを傘入れとして外に置いている裏技をする店もありました。
そんな僕はまだ新聞を紙で読んでいます。定期購読をしていまして家に毎日届きます。余談ですが定期購読だとちょっとエッチなページがなくなります。余談でした。

上京して17年になりますが、お金がない頃も新聞をとるのは止めませんでした。この前電車で新聞を読んでいたらU字工事の益子さんが

「久しぶりに電車で新聞読んでる人みたなぁ」

言われてみればそうです。自分としては日常のことだったので気にしたことがなかったのですが、ここ何年か周りで見たことがなかったかもしれません。

満員電車で新聞紙を縦に四つ折りにしてなんとか見て、そこまでして見たいのかって人もいません。

朝の満員電車で無理やり新聞を見て、その新聞紙が横のサラリーマンにあたってブチギレてケンカになっている光景も見ません。

自分では新聞を買わず、人が読んでる新聞を見て情報を得るエコな人も見ません。

みんな携帯電話やタブレットで見ています。
もちろんそれも良いのですが、僕はこれからも新聞紙を続けたいと思っています。
別に尖って意地を張ってるとかではありません。ちゃんと理由はあります。

携帯電話で見ているとAIが自分の好きそうなものを選んで出してくれます。
そうすると、どんどん自分の好きなものばかり見ることになっていきます。すごく危険なことです。とにかく無駄を省こうとしています。自分の好きじゃないものは無駄ということでしょうかね? 何か好きじゃないです。無駄なことこそ面白いと思います。

お酒飲んでる時とかも、意味のある会話ばかりしようとするのはあまり好きじゃないです。
何も意味のない興味のない会話をしながら飲んだら飲み終わった後になぜか
「今日何の生産性もなかったけど何か楽しかったな」
と、なる飲みもあったりします。もちろんそれで楽しくもない時もありますが。でもそれはそれで良いのです。何らかの気持ちが動いているので。

つまり、意味のないことや興味のないことを見たり聞いたりすることの方が損得とか何も考えずにいれるので、人間として健康的になるのではないかと思うのです。

嫌なことや嫌な物に触れるのが普通でそれがなくなっていくと、気がついたらとんでもない合理主義のみの化け物になってるかもしれないので。

まぁ今のは話半分くらいで聞いてくださいね。

この前、日刊スポーツをいつものように電車で見ていたら早稲田大学野球部の小宮山監督の記事が小さくありました。
野球部の4年生の学生が怪我の影響もあり、卒業後野球を続けるかやめるか迷って、監督の指導を受けたくて入部したほど慕っている小宮山監督に聞きに行ったら

「俺が引導を渡す形だったらお前もやめられるだろう」

と、言われたと。

あまりに最高でした。全てを背負った懐の深さを見ました。ネットだともしかしたら見逃していたかもしれないので、これからも定期購読を続けていきたいと思います。

新聞の定期購読の楽しみはこういう心を動かされる記事を見れること。
そして、月に1度の休刊日に新聞をコンビニに買いに行って、普段はないエッチなページを見れることですね。

余談ではないですが。

<第26回に続く>

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