「女、使いませんでした?」衝撃セリフも…『Wの悲劇』が今なお刺さる“危うい”4つの理由【映画レビュー】

エンタメ

更新日:2026/5/22

原作小説のストーリーが「劇中劇」として展開する『Wの悲劇』

 5月1日より開催中の「角川映画祭」。角川映画の歴史は1976年(昭和51年)の『犬神家の一族』からスタートしており、今回の映画祭では50年に及ぶ歩みの中から選出された珠玉の40作品が上映される。

 ここでは、1984年公開の『Wの悲劇』を推したい。後に数回ドラマ化もされた夏樹静子の同名ミステリー小説を原作としており、その小説のストーリーが「劇中劇」として展開するという、大胆な試みがされている。そして、当時にアイドル的な人気を博していた主演の薬師丸ひろ子の「危うさ込み」の魅力が発揮された作品だったのだ。「女、使いませんでした?」など、令和の今では考えられない衝撃セリフも多く登場する本作が、今なお愛される4つのポイントをご紹介する。

※以下、『Wの悲劇』の内容に触れています。

advertisement

1:性的な関係をいとわないのが危うい

 あらすじから紹介しよう。劇団の研究生である主人公・三田静香(薬師丸ひろ子)は次回公演『Wの悲劇』のオーディションに落ち、セリフが一言だけの端役兼プロンプターを担当することになる。落ち込んでいる静香は不動産屋の青年の森口昭夫(世良公則)とつかず離れずの関係になるが、ある日とんでもないトラブルに巻き込まれ、劇団の看板女優である羽鳥翔(三田佳子)から「スキャンダルの身代わり」を頼まれてしまう。

 何しろ主人公の静香は危ない橋を渡り続けている。映画の冒頭から20歳になったばかりで先輩の俳優と一夜を共にしているし、彼女に一目惚れをした無邪気な性格の昭夫とも男女の関係になる。直接的な性描写は避けられているものの、女優としての成功を望むあまり、性的な関係を持つことをいとわない、ヤケになっているようにさえ見える彼女の姿は、痛々しくも危うく、心配になり、目が離せなくなるのだ。

あわせて読みたい