「三島由紀夫賞」歴代受賞作品 一覧【2026年最新版】

文芸・カルチャー

更新日:2026/6/18

 三島由紀夫賞(通称:三島賞)は、昭和を代表する文豪・三島由紀夫の業績を記念して1987年に創設された文学賞。新潮社が新しい才能を発掘すべく、芥川賞と同種のカテゴリーを要求して打ち出した賞として知られている。文学の新たな可能性を開拓する、先鋭的でみずみずしい感性を持った受賞作が並ぶことでも注目を集め続けている賞なのだ。本記事では、最新の受賞作品からさかのぼり、歴代三島由紀夫賞作品を一挙紹介!ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。

【文学賞 受賞作品】一覧

第39回 はくしむるち/豊永浩平

はくしむるち

はくしむるち

advertisement

デビュー作『月ぬ走いや、馬ぬ走い』で群像新人文学賞と野間文芸新人賞をダブル受賞した大型新人が、圧倒的な筆力で描く衝撃の長篇第一作!
暴力が支配する世界に、「ヒーロー」は現れるのか? 戦争の傷が刻まれたこの島で、新しい地図を描くための「戦い」がはじまる。

きみは沖縄に生まれ育ち、ウルトラマンに憧れるオタクになった。小中学校とエスカレートする「いじめ」を生き抜いたきみは、この島を分断する「壁」に向かって、ある「計画」を実行していく――。
沖縄の今を生きる少年少女と、80年前の戦場を生きた少年兵たち。ともに白紙のような彼らを呑み込んでいく巨大で残酷な暴力に、どう立ち向かうのか?現代と戦中戦後の時空を交差させて描く、鮮烈な青春小説にして、新しい世界文学の誕生!

▶Kindleで『はくしむるち』を読む

第38回 橘の家/中西 智佐乃

橘の家

橘の家

庭のその木は、人の生殖に力を与えるという。人類の業を抉る三島賞受賞作。

幼い頃に2階から落ちたが庭の橘の木のおかげで助かったことがある恵実。以来、木の力を恵実が媒介するという噂が流れ、子どもを望む人々が大勢家を訪れるようになった。自分にすがる彼らの気持ちに戸惑いながらも役割を果たす恵実だったが、そのことが自身や家族に暗い影を落とし――子孫繁栄という常識を揺さぶる問題作。

▶Kindleで『橘の家』を読む

第37回 みどりいせき/大田ステファニー歓人

みどりいせき

このままじゃ不登校んなるなぁと思いながら、僕は小学生の時にバッテリーを組んでた一個下の春と再会した。そしたら一瞬にして、僕は怪しい闇バイトに巻き込まれ始めた……。でも、見たり聞いたりした世界が全てじゃなくって、その裏には、というか普通の人が合わせるピントの外側にはまったく知らない世界がぼやけて広がってた――。圧倒的中毒性! 超ド級のデビュー作! ティーンたちの連帯と、不条理な世の中への抵抗を描く。第37回三島由紀夫賞、第47回すばる文学賞受賞作!

▶Kindleで『みどりいせき』を読む

第36回 植物少女/朝比奈秋

植物少女

植物少女

自身を産んだ際に植物状態になった母親へ会いに病室へ通う美桜。意思もなく、大人に成長していくなかで、次第に親子の関係性も変化していき─唯一無二の母と娘のありようを描く。第36回三島由紀夫賞受賞作。《解説・河野真太郎》

▶Kindleで『植物少女』を読む

第35回 ブロッコリー・レボリューション/岡田利規

ブロッコリー・レボリューション

ブロッコリー・レボリューション

近所にあるパン屋をめぐる彼の変化を私が描く「楽観的な方のケース」。突然の訪問者が繰り広げるラップに衝撃を受け、横浜の街に思いを巡らす「ショッピングモールで過ごせなかった休日」。人はいつだって誰かの思いや言葉、記憶の中の場所に思いをはせるものだ――。実存や不可能性を超越した、第35回三島由紀夫賞受賞の表題作を含む全5編の短編集。多和田葉子氏との特別対談も収録!

▶Kindleで『ブロッコリー・レボリューション』を読む

第34回 旅する練習/乗代雄介

旅する練習

旅する練習

第34回三島由紀夫賞、第37回坪田譲治文学賞、ダブル受賞!

中学入学を前にしたサッカー少女と、小説家の叔父。
2020年、コロナ禍で予定がなくなった春休み、
ふたりは利根川沿いに、徒歩で千葉の我孫子から鹿島アントラーズの本拠地を目指す旅に出る。
ロード・ノベルの傑作! 第164回芥川賞候補作。

▶Kindleで『旅する練習』を読む

第33回 かか/宇佐見りん

かか

かか

うーちゃん、19歳。母(かか)を救うため、ある無謀な祈りを胸に熊野へ。第56回文藝賞、第33回三島賞受賞。世代を超えたベストセラー『推し、燃ゆ』著者のデビュー作。書下し短編「三十一日」収録。

▶Kindleで『かか』を読む

第32回 いかれころ/三国美千子

いかれころ(

いかれころ

ほんま私は、いかれころや――。
新潮新人賞&三島由紀夫賞ダブル受賞のデビュー作!

昭和の終わり、南河内に暮らすとある一族の二十四歳の娘に縁談が持ち上がる。女性は二五までにと見合い結婚する者も多い時代。本人の考えを他所(よそ)に、結納金や世間体を巡り親戚中の思惑が忙(せわ)しくぶつかり合う。分家に暮らす四歳の菜々子はその喧噪をじっと見つめていた――。
「家」がもたらす奇妙なせめぎ合いを豊かに描き、新人らしからぬ圧倒的力量と選考委員が絶賛、三島由紀夫賞受賞作にして新潮新人賞W受賞のデビュー作。

▶Kindleで『いかれころ』を読む

第31回 無限の玄/古谷田奈月

無限の玄/風下の朱

無限の玄/風下の朱

ブルーグラスバンド「百弦」のリーダーにして一家の長である宮嶋玄は、家でひとり死んだにもかかわらず、なぜか毎日蘇っては死に続ける。その不条理な繰り返しに息子たちは苛まれていく――(「無限の玄」)。魂の健康を求めて野球部を作ろうとする侑希美さんの下に集った私たちは、しかし理想と現実の間で葛藤する――(「風下の朱」)。それぞれ三島賞受賞と芥川賞候補に輝く奇跡の中編集!

▶Kindleで『無限の玄/風下の朱』を読む

第30回 カブールの園/宮内 悠介

宮内 悠介

カブールの園

シリコンバレーで起業した30代後半、日系3世の女性レイ。
80年代アメリカの小学校時代に周囲から受けた壮絶ないじめの後遺症を今も抱えながら、黒人の同僚とコンビで自社製品のプレゼンに駆り出される日々を送る。
精神安定剤を手放せないレイは、大仕事を前に休暇を命じられ、旅に出る。

日系1世の祖父母が戦中に入れられたマンザナー強制収容所、レイの母がひとり暮らすリトル・トーキョー。自らのルーツを歩いたレイは、目を背けていた本心・苦しみの源泉を知った。

複雑な形で差別の問題が日常にある3世の苦しみ、母親との関係。
日本とは、日本人とは、私とは何か――。

▶Kindleで『カブールの園』を読む

あわせて読みたい